心との戦い方

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105065317

作品紹介・あらすじ

私が強かった理由――それは“心”が強かったからだ! 十二歳で学校をドロップアウト、プロデビュー戦ではあやうく負けかけた。不世出の格闘家は、数々の激闘をいかに戦い、波乱万丈の人生をどのように生きてきたのか? いま初めてすべてが明かされる。恐怖心に負けず、どんな時も心静かに。心の命ずるまま、流れる水のごとく……。無敗の男の衝撃のメンタルコントロール術。

感想・レビュー・書評

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  • 参考図書

  • 格闘家ヒクソングレイシーによる心について本。
    格闘技においてもっとも大事なこと。それは心技体であるがなかでも心であると。
    どんなに体と技がそろっていても、心が自分にまけて「もうだめだ」「がんばれない」となるとそれらが発揮されない。なので一流のアスリートには心が例外なく強いと。
    前半は「心」の重要性を知るまでの修行時代、格闘家時代の話がおおいのだが、後半になるにつれ、「幸福論」にうつっていく。
    彼によると、幸福を実現するためにはまず自己を深く理解することが大事だと。男だろうが女だろうが金持ちもびんぼうな人もすべての人が幸福を追求する。そして人は、何かを成し遂げた時に幸福を感じる。人というのは根元に何かを成し遂げたいと考えている存在だ。だがその成し遂げたいものは人によって違う。ゆえに何をなしとげたいのかを深く理解することがだいじだと。
    貧困や病などの不幸はいくばくかは金でさけれるかもしれないが、幸福は金ではえれない。他人の自分に対する期待や思惑をまったくきにすることなく自分の心の声をしっかりきいて自分の内面を理解せねばと。
    また能動的に動くことの重要性もといている。これは慶應の前野教授の幸福論と通じていて興味ふかい。
    とくに「愛する」か「愛される」をもとめれるか?後者は受動的。前者は能動的。だから彼は格闘技家であるにもかかわらず、感情のなかでもっとも重要なのは愛であり、それも愛すること、しかも周囲の人だけでなく見知らぬ人、さらには人間以外の生命への愛を説く。
    またキャリアであった格闘家を引退するエピソードも興味ふかい。葛藤もあったが引退を決断。そして全財産を前妻に提供しあたらしい生活を新しい土地ではじめる。この捨てる勇気が今後のキャリア論には非常に重要になると感じた。
    日本に関しての助言が最後に。とくにプレッシャーの高すぎる社会について指摘を。プレッシャーには二種類がある。自分が自分にかけるプレッシャーと他人からかけられるプレッシャー。もちろん後者はよくないと。理不尽なプレッシャーは断固拒否すれば良いと助言。それで仕事をうしなうならうしなえばいいじゃんと。
    とにかく徹底した楽観思考の人。頭の中にポジティブの種をまいていて、仮に片足を失えばサーフィンではなくカヌーすればいいじゃんとか、おれは長男を失って悲劇もしってるが世界一幸せだとかこうい発言がどんどんでてくる。頭の中にポジティブの種をまけ。

  • ブラジルというバックボーンを持った武人の言葉。上滑りする言葉がない。人生における幸福と自由について明確な哲学がありそれはとても心に響くものだったと思う。もし、自由や幸福について悩んでいる人がいたら手にとって見て欲しい。

  • 自分自身の心を、自分の敵から味方に変えた。
    そのことが私を敗北から救ってくれた。
    そして以後、自分自身の心を、二度と自分の敵に回さないことを誓った。

    勝利を疑ってはいけない

    征服する喜びは全ての土台となる

    格闘技では、人の性格や感情や精神力がとても正直に出るものだ

    ベストを尽くしたら腹をくくれ

    流水のように相手の動きに対応する

    愛情が一番大切
    愛は投資ではなく、報われないこともある。
    そのことをよく理解した上で人を愛さなければならない
    愛することで自分の心は豊かになる


    自分にとっての幸せを理解する
    人には幸せに生きる義務がある
    もしそうでないなら今すぐに幸せになれるよう努力すべき

    頭のなかにポジティブの種をまく

  • 彼の人生と、人生哲学。日本や日本人についても色々と進言してる、自己啓発みたいな本。

  • 何故日本人選手や日本人について語ることが多いのかと思ったら、日本が書籍の企画を持ってたから…なのかな。日本人インタビュアーがずっと聞き書きしたという形でしょうか。
    ヒクソンの生い立ち、現役であったときの戦いの挑み方は、当時を知っている人であれば面白く読めるかもしれません。
    ヒクソンの、自身が欲すること納得することしかしないという哲学はまさに行うは難し。ですが自分の人生を生きたい人には大事な考え方であるに違いありません。
    「自己評価こそが、自分を高め、向上させてくれる」の一文は心に響きました。

    でも闘うことの神秘について読むならば塩田剛三の本のほうがずっと面白いと思います。
    ヒクソンと塩田では自信の「質」が違う印象。
    奥義というものの作られ方に言語が関わっているのではと思うので、両者の違いについてもうちょっと理解できないかなと思っているところ。

  • 「世界一強い男のメンタルから学ぶ」ということですが、私は本を読むまでヒクソンの試合を見た事が無かったので、世間の評判等の前情報が無く、素直に読めた。
    トップにたったことのある人の心の使い方は共通したものがあり、神がいるかどうかは別として学べる事は多い。
    この本の取材・翻訳した沢田さんの能力の成せる技か。

  • ポジティブシンキング。
    考え方、心持ち一つで人生は変わる。
    パニックには陥らない。
    自分のやりたいことは何かよく自分に問いかける。人にどう言われようが関係ない。日本人はストレスため過ぎ我慢し過ぎ。
    船木は本当の侍。締められてもタップせず、失神した。高田は腕を決められただけでタップした。ただのスポーツマン。

    自分の幸せは自分で見つける。
    長男の死で家族との時間を大事にするようになった。試合をしなくなった。
    子供に道を強制しない。

  • めちゃくちゃストイックで、自分自身のことを客観的に見れるひと。身体的にも、精神的にも強すぎてこわい。
    でも、ところどころ手前味噌な感が否めなくて、そこは少しもったいないと思った。

  • レイズール 人生において、恐怖と幸福はしばしば隣り合わせだ 恐怖心は自分にとって寡黙な友人 ヨガの一種であるケンポー 色々な野生動物の動きを真似る エンプティマインドもしくは無我の境地 分水嶺ぶんすいれい 我々は、自分自身を冷徹な眼で見つめ、課題を直視するだけの賢さと勇気を持たなければならない まずは情熱、続いて戦略を持て カーペットで体をぐるぐる巻きにして放置された状態に耐えることで、自分の感情をコントロールする事を会得した 自分がやりたいと思うことと、やらなければならないことを、私は完全に一致させることができた。そこが私と他者の最大の違いであり、だからこそ、私は一族で最強の男になれたのだと思う。 ペレ アイルトンセナ 宮本武蔵 運をあてにする時点で、その人はすでに敗北を喫している。 簡単なことだ。冷蔵庫までいって、食べ物を取ってくればいい。 何か悪いものを食べても、それで死ぬことがなければ、結局は自分の栄養になっているのだ。山ごもり 杖 桜井章一 雀士 髙田延彦 安生洋二 道場やぶり クロン スケートボード 山下泰裕 哲学を感じさせる人々 ブルースリー アントニオ猪木 十二歳 サーフィン 他人より優れた特別な存在でありたい 受動的であることと忍耐強いことは違う 桜庭和志 エメリヤーエンコヒョードル ホクソンの死 前田日明 長州力 全財産を手放し、人生をゼロからやり直した 中井裕樹 テクニックの勝負 船木誠勝 眼窩底骨折 日本刀 アスリートとしてではなく、戦士として コンデコマ 前田光世 カーニバル 彼らは、時間があればあるだけ、人生を謳歌する 理不尽なら理不尽だと伝えて、断固、拒絶すればよい たとえ自分が納得できないことがあっても、文句を言わない。自分の意見を伝えない。これは、弱さに他ならないと思う。 理不尽なことにひたすら耐えるのは、ストロングスピリットではない。そして、動物の世界では、弱い者は真っ先に淘汰される。 頭がいい日本人が、どうしてこんな単純な矛盾に気がつかないのか、そしてシステムとしての欠陥を矯正しないのか、その点については、不思議で仕方がない。かつての将軍が、今日では会社の上司になり、親になり、学校の先生になっているだけのようにみえる。 現代に即した新たな行動規範、新たなスタンダードを作り上げる時が来ているのではないだろうか。伝統を脱し、他人の考えや期待に惑わされることなく、自分の真の幸福を追求する二十一世紀の新たなサムライ像を創りあげていってはどうだろうか。私個人としては、良い状況にありながら今後を悲観するくらいなら、悪い状況にあっても、今後を楽観する側に回りたいと思う。 ポジティブの種

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著者プロフィール

1958年、ブラジル・リオデジャネイロに生まれる。日本の柔道(柔術)を独自の「グレイシー柔術」に昇華させた父エリオの三男として幼少より薫陶を受ける。6歳で柔術の大会に出場し、若くして黒帯に。道場で指導を行う傍ら柔術やバーリトゥードなどの大会で活躍し、一線を退くまで400戦無敗と謳われた。94年、95年にバーリトゥードジャパン・オープン連覇。97年には「世紀の一戦」と喧伝されたPRIDE.1でプロレスラー髙田延彦を、2000年にはコロシアム2000で船木誠勝を下す。弟ホイス(元UFC 王者)ら一族の柔術家とともに世界の総合格闘技界を代表するアイコンとなり、その勢力図を塗り替えた。著書に『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』(ダイヤモンド社)、『心との戦い方』(新潮社)他。現在、Netflixドラマシリーズ『ナルコス』のジョゼ・パジーリャ監督が、彼と前田光世を主人公としたNetflix 映画『デッド・オア・アライブ』を製作中。

「2022年 『ヒクソン・グレイシー自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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