V. (下) (Thomas Pynchon Complete Collection)

  • 新潮社
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本棚登録 : 371
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105372088

感想・レビュー・書評

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  • 既刊分一巡してから新訳で2周目ということで。
    最初読んだ時よりだいぶ読み易かったです。新訳だから?ピンチョンがどういうものかおぼろげながら解ったから?
    とりあえず、ピンチョンは最初っからピンチョンだったんだということがよくわかりました。「V」は大きく2本のお話を軸として進みます。一つはプロフェインの話。一つはステンシルの話。プロフェインの話はピンチョンのホーボーサイド。ステンシルの話は何が真実かわからないサイド。どちらもピンチョン作品のキモです。

  • 多すぎる程沢山のおかしげな人々が、全力でふざけあって絡みあって導きあって、壮大な神話を形作ってるんだけど、その切り取り方があやふやで、多層的で、しかもみんな語り手としての自覚が無さすぎるので、神話の全貌が全く見えてこなかったりする。章によってスタイルも違ったりするし。
    でも物語としてまとめなきゃっていう責任感が低いからこそ、挿話も人々もめちゃくちゃパワフルでどこまでも自由、そして果てしなく魅力的。予定調和感も一切ないので読んでてドキドキが止まらない。

    情景も含めて丁寧に描いたと思ったら、1つの挿話が1.2行で駆け抜けたりするので、何だかすごく映画っぽかったりもする。綺麗につながれたモンタージュ的なスピード感。説明の少ないクールな映像が次から次へと立ち現れる瞬間はとってもスリリング。何が起きてるのか分からなかったりもするけど、それも含めてスリリング。
    圧倒的な情報量の魅力的な映像を短時間で浴びせされた感じ。深く考えずに、この情報の海の中をゆらゆらと漂っていたい。

  • 国書刊行会版で既読。

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