- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105419011
感想・レビュー・書評
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統合失調症と人の進化を脂質の代謝から見る視点は斬新だった
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ISBN-13: 978-4105419011
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統合失調症(本書に合わせて以下、分裂病)を持つ遺伝子によって人類が劇的な進化すなわち知性を獲得したという仮説を展開した本。天才と何とかは紙一重というのも単なる俗説とは言えないようだ。人類は栄養状態の向上、特に脂肪の摂取によって遺伝子の突然変異を誘引し、その結果まれに生まれる天才が人類を飛躍的に進化させた。成功者の親類には分裂病患者が多い。分裂病は複数の遺伝子によって遺伝する。その遺伝子すべてを持っていても必ず発祥するわけではない。
本書によると分裂病はエンコサペンタエン酸(キルナール)で改善する可能性があるらしい。魚を食べよう。 -
分裂病。脳(心)に負荷がかかるシステム。
負荷が大きすぎると壊れてしまうが、適度な負荷は成長につながる。 -
非常におもしろい仮説です!
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手にとった時はもう少し奇を衒った様なものを想像していたが、立派な化学の本でした。先史人類に発生した分裂病的性質が、食生活の変化や遺伝によって、現在でいう「分裂病」に、さらに産業革命以降の食生活により症状が深刻化したという。著者は考古学的な資料と科学的な知識に基づいて仮説を立て、臨床実験でも成果を上げたそうで、将来「統合失調症」が治せるだけでなく、本書ではさらに踏み込んで「破壊的な症状だけを抑え、クリエイティブな面を残す事が出来るかも知れない」と希望を持っている。科学は進歩している。それもこの病気と同じく脳の働きなんだなぁ。言葉は難しかったけど、読み甲斐があった。