- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106005268
作品紹介・あらすじ
世界が揺れた激動の世紀末を、洒脱な「高坂節」が斬る!我らの進むべき道も歴史の生かし方次第。
感想・レビュー・書評
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内容は難しいです。イギリスのリーダーシップ論など知りませんでしたが、見習うべきと感じました。
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嘉悦康太先生推薦
前原現国土交通大臣の師匠としても有名な京大教授の故・高坂正堯(まさたか)氏が生前書き残した各種エッセイや講演をまとめた4部作の一つ。現代国際政治とその背景にある諸問題に対する深い洞察が随所に見られるのはもちろんであるが、それ以上に個人的に感銘を受けたのが作者の世界中の人々に対する温かいまなざしである。リアリストと表現される国際政治学者として
は、冷徹この上ない分析をすることで有名な筆者が、20世紀末の中国で起きた事件を記述するなかで、彼の地の学生や若者達に対して深い同情を寄せていることが読んで取れる「天安門事件直後に感じたこと」は文章的に感動的ですらある。 -
むかしむかしサンデープロジェクトで拝見していたが
難しい世界情勢を関西弁で斬る感じが素敵だったな
恥ずかしながら著書をおそらく初めて読了
氏だったら今のロシア、中国、そして日本をどう斬るかな斬らないかな -
英国衰亡論、天安門の論評、天皇論と日本論。
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[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
イギリス、中国、ソ連、それに日本に関する講演をまとめた内容となっている。
非常に読みやすく、20年ぐらい前に出版された本だが色々と考えることの多い内容だった。
日本が開戦するまでの部分では多くの政治家、軍人を取り上げ、問題点が挙げられ、中々に面白い内容だった。
また、「日本人は堕落しやすい」というのは興味深い内容だった。 -
様々な講演録や寄稿の再録なのでテーマは雑多だが、複数の個所で感じるのは、善悪二元論の危険性、安易な単純化に陥らない「健全な懐疑主義」とでも言うべき視点だ。
「歴史的な楽観主義と合理主義」と呼ぶ共産主義、すなわち歴史は良い方向に進んでおり社会は理性で管理できるという考え方への懐疑。東京裁判史観も、東京裁判が間違っていたという批判も共に忘れるべき。戦争絶対悪論には反対だが、先の大戦で日本は他の文明に対し偏狭すぎた。核兵器は危険だが法で禁止すれば済むという単純なものではない、持つが普段は使用しない「お荷物」とみなすのがよい。戦前は明治憲法を一切批判できなかったが、逆に戦後は明治憲法を頭から否定するばかりで勉強していない。等々。
なお、当時の日本人の雰囲気、馬鹿さ加減を示す意味で「支那事変」「大東亜戦争」という用語は正しい、と述べているのに目を引かれた。現在、そういう理由であえてこれらの語を使う人がいるだろうか。 -
オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。
http://books-officehiguchi.com/archives/4063683.html
第一部は大英帝国、第二部は変化の時代で、天安門事件、ソ連崩壊、パールハーバー50年目の評価、世界のなかの日本、第三部は日本と近代について、それぞれ述べられている。
第一部は世界史で初めてイギリスの歴史について勉強する読者にとって興味深い内容となっている。第二部では、天安門事件とソ連解体について当時のことを振り返りたい人にとって参考になると思われる。第三部は日本と日本人について考察したい場合、参考になると思われる。 -
政治学者・歴史学者である著者の公演や小論をまとめたもの。主著ではないし、これだけ読んでもちょっと核心は分からなかった。
イギリスが第二次産業革命に遅れたのは、大型化と科学教育であり、背景に階級社会がある(p.34f.)。中国の得体の知れなさ(p.88f)。和辻哲郎への着目(p.198ff)などが印象に残った。 -
高坂先生の大東亜戦争観がこんなふうなのは、京都人であることも大きいと思われる(生粋の洛北っ子)。もし先生が生きておられたら、911やプーチン大統領のことをどう分析されたかなと。もう10年長生きしてほしかった。
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『大学新入生に薦める101冊の本 新版』の101番目の本。
現代史というように、主に20世紀の出来事を取り扱っている。あまり見かけることの無いイギリス史「大英帝国の場合」、天安門事件、ソ連解体、パールハーバーを振り返る「変化の時代」、天皇と日本人の意識について考察する「日本と近代」の三部構成となっており、高坂教授がクセのある口調で述べている。豊富な知識と独特な感性で時折閉口するような箇所もあるが、あの事件が起きたのはこれが理由、という関係性が明確であり、読むに飽きない本であった。 -
20061101
高坂先生。忘れた。 -
イギリスが専門の彼。イギリスの興亡と世界史の展開を照らし合わせながら進む本。政治を学ぶというよりも、世界史のダイナミクスを感じるのに良い一作。