- Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106022029
作品紹介・あらすじ
桂は水の神、樟は稲の神、松があかす日本語の起源-天才花人が木のこころを語り、異能の国文学者がその歴史を語る。松山の椿、高野山の槇、小岩の松、山形の欅ほか、全国12カ所の「これだけは見ておきたい神木」案内も。木のことを知ると人生も楽しい。
感想・レビュー・書評
-
寺社を参拝するたびに、境内の古い大きなご神木の存在感に引かれて立ち止まることが多いため、読んでみた本。
椿、樟(くすのき)、槙、杉、梶、桂、檜、柞(いすのき)、松、白膠木(ぬるで)、柳、欅という全12種の木が紹介されています。
柞(いすのき)や白膠木(ぬるで)なんて、読み方さえ知らない木です。
国文学者が文章を寄せ、歌人が活けた木の写真が掲載された一冊。
もともとは中世や近世の花伝書を読む会から発行に至った本とのことで、始まりからしてみやびです。
花というよりも木の方が多いため、活けたのは初めて、というコメントが何度かありました。
かつて中国では日本のことを海彼(かいひ)といったと、知りました。
椿は海彼からきた木と見なされていたそうです。
日本種なんでしょうか。
また梶の木は、日本ではどこでも見られる木で、関西、特に京都では身近なものなのに、関東の人にはあまり知られていないのだそう。
なにが違うのでしょうか。
単に日本の木を並べたものではなく、神木として紹介しているので、古木の持つ霊気までもあらわれているよう。
古来日本人が立派な巨木にしめ縄をかけ、信仰の対象としてきたことも頷けます。
巻末には、全国12カ所の「これだけは見ておきたい神木12選」が紹介されています。
・松山・伊予豆比古命神社の「椿」、
・瀬戸内・大山祇神社の「樟」、
・高野山・金剛峯寺の「槙」、
・三輪山・大神神社の「杉」、
・京都御所の「梶」、
・鞍馬・貴船神社の「桂」、
・木曾谷・伊勢神宮林の「檜」、
・下田・八幡神社の「柞」、
・小岩・善養寺の「松」、
・群馬・神流町の「白膠木」、
・那須の遊行柳、
・山形・東根小学校の「欅」
中でも那須の遊行柳は、柳だけに風の吹き方次第で何通りにも表情を変えているようで、実際に見てみたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2014/01/03完讀
我覺得這本書的企畫很有趣,介紹日本各地12種神木,由國學者先來說明,接著每盆神木都讓川瀬さん當作花材來來插一盆花作。是一本非常具有療癒性的小品作。
椿【伊豫豆比古命神社 愛媛県松山市居相】
這裡提到他鮮豔的紅花及綠葉,以前成為畏怖對象,神聖的花。但武家認為紅花有斷首之意,從室町時代起就禁止當作出陣的花。「血を流れつくしてなお栄える木に強い霊力を見た時代から、少しずつ人の感じ方が細かく部分的に、また表層的になってゆくさまがよくわかる」
川瀬「藪椿の花の赤も、葉の緑も色が深い。山中で見ると、鬱蒼として不気味です。椿ほど、立木のときと、切って生けたときの姿が変わる花はありません。それでいて、たとえ一輪になっても、澄み切った山の空気をまとっていて、人間の持つ卑俗さをよせつけない。そのとこが、侘び茶の花として多く用いられた理由かもしれません。」
樟【大山祇神社 愛媛県今治市三島町宮浦】
除草劑、農藥、守護稻作、防重效果。
京都青蓮院。
槙【金剛峰寺 和歌山県伊都郡高野町高野山】
葉の王位にある
水湿にあう耐久性(千住大橋)
旧暦7/9京都六波羅珍皇寺詣で(六波羅蜜寺) 帰りに参道の店で高野槙の小枝を求めて帰宅する慣わしがある
杉【大神神社 奈良県桜井市三輪】
酒樽 酒屋杉玉
梶【京都御所】
「梶は成長が早く、根伏せして三年もすれば径三寸あまりの木になる。これから樹皮を剥いて、巧みに斜めに敲いて幅を広げ、幅三尺ほどの樹皮布をつくるもの古くから女の仕事であった。二つに折って脇を縫い、貫頭衣などに仕立てて身に着けた。梶は今日でも南洋諸島で栽培されてタパという布をつくっている。」タパ似發源於長江流域,祭拜七夕星也是發源於長江流於,後來變成養蠶取絲用織布機。以前梶象徴「女の技芸」,梶葉象徴織女,「七夕には笹に短冊を吊るす。これはもともと梶の葉に願い事を記して、裁縫などの技芸の上達を願うという娘達の習俗の名残りである」
梶の葉→諏訪大社(祭神為出雲神)の神紋(長江信仰乘著黑潮,從出雲來到這裡)
京都常見(和菓子や着物の意匠)
桂【京都貴船神社】
水の神木
香木
京都五月葵祭,古稱加茂祭,「本来稲作の豊穣を祈る水の祭りで、神のより代は新緑の桂だったと考えられる」
川瀬「私にとって、たとえば杉は男の木ですが、桂は女です。…日本であれば斎宮、ヨーロッパなら修道女のような印象の木です。枝ぶりも葉の形も、一見するとのどかだけれど、内には壮絶なものを秘めている。だからこそこの花のように、やせて枯れても、色はのこるのでしょう。」
温暖化→南方土地浸水,往北前進 寒冷化→北方種族走陸橋來
榊→それは「無用の木」であった。無用に見えるものにこそ、実はすべてを束ね、統べる霊能の存在することを見出す
檜【ミソマ山】
川瀬「檜は…自分の心のゆらぎに、しずかによりそってくれる。ひそやかで、すぐに消えてしまいそうななにかー神意のようなのもをつたえてくる木だと思います。昔は松でした。松の枝ぶりは、たとえるなら歌舞伎の見得のようにおもしろくて、わかりやすい。人に近い木です。いっぽう檜は人に狎れない。その遠さ、はかりしれなさは、山そのものを思わせます」
柞(いすのき)【八幡神社 静岡県下田市吉佐美】
柞灰(樹皮を灰に焼き、これを釉薬にまぜて磁器に焼き付けると、仕上がりが格段うつくしい。) 有田焼
松【東京都 善養寺】
日本語は、北方系の幹(文法)に南方系の葉(語彙)
川瀬「松ほど枝の表情がゆたかな木はほかにありません」
白膠木(ぬるで)
柳【遊行柳 栃木県那須郡那須町大字芦野】
天然的注連,異界、亞空間
日本的柳樹都是雄木!!!因此不飄柳絮 鰥政策
欅【山形 東根小学校】
川瀬「重厚で壮大な、ドイツ・ロマン派の音楽のような木。それでも、ふとしたときにながれるかろやかな旋律を、この1枚の葉に聴き取ろうとしたのだと思います」 -
身近にあるけど、名前を知らない木、昔から人の生活を支えてきた木。
近頃は、色んな動植物が帰化して、日本古来のとか、自生種が、消滅しつつあるのは、悲しいことです。
かといって、一度楽と便利を覚えたら、なかなか捨てられないのが人間。
でも、たまには、こんなのを読んで、ちょっと立ち止まるのもいいのではないかと。
写真が多いから、すぐ読めるし。