- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036231
作品紹介・あらすじ
話題の『渋滞学』が進化した!トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、まったく新しい学問が誕生。無駄とは何か?そのメカニズムとは?実践篇では社会や企業、家庭にはびこる「無駄」を徹底検証し、省き方を伝授、さらにポスト自由主義経済の新経済システムまで提言する。ビジネスパーソン、家庭人、必読の書。
感想・レビュー・書評
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足るを知ることが大事だと感じた。
人々の生活を豊かに、そして経済を急激に発展させようとする東京はある意味“効率的”に見えるが、その裏ではコンビニの食料廃棄や渋滞によるCO2排気などの“無駄”が起きている。
そう言った資本主義の構造をメタ認知できた非常に面白い本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭「「ああ、もったいない」」
末尾「こうした議論を今後も重ね、無駄を排除して限られた資源の中で皆が幸せに生きることができる方策を真剣に追及いていきたい。」
『渋滞学』の西成活裕氏による第二弾(渋滞学は読んでいない)。でも、この人のことは『世界一受けたい授業』で知ったんだったかな。
山田日登志氏や山崎昌彦氏とともに活動し、渋滞学を企業のムダとりにいかしてきた経験が詰められている。
製造業の話が多いけど、身近な日常生活から果ては資本主義や道徳の話まで、幅広く多角的な視線で語られている。無駄についてあれこれ考えられていることがよく伝わってくる。
今、用があって働き方について勉強している。「トヨタ生産方式」をもうちょっと勉強してみたいと思ったし、様々な側面から述べられているおかげで、ムダとりをしようとしたときの心構えや注意点など、気づきを与えてくれる箇所がいくつもあった。 -
無駄についての定義からその排除について書かれています。
「トヨタ生産方式」についてはなるほどと発見もあるけれど、
途中からトピックが散漫になっているのが残念。
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視点が面白いです。講演を聴いて興味深かったので本を購入。「無駄の定義がわかりやすくロジカルに説明してある、また、無駄を暴くプロコンサルと同行し、無駄を省く視点からの無駄が必要?ってな感覚が書かれている。後半は、渋滞学が書かれているが、講演を聴いていたので分かる。
初めて読む人には、分かるのかなぁ(笑)
しかし、普通では無思考に観点であるので、一読する価値はあり^o^ -
著者が同じ「渋滞学」を先に読んだが、こちらの「無駄学」のほうが読みやすく、さらに共感しやすい内容でこちらの方がお薦め。
「良い無駄」もあるということを理論的に書かれていて、日頃の生活においても考え方のヒントになることが得られると思った。 -
社会
ビジネス -
「渋滞学」の切れ味と比較するとやや冗長で世間話的だが、読みやすいし見るべき点もある。
[more]<blockquote>
P16 「なぜ」が理学、「どうすれば」が工学と考えるとわかりやすい。【中略】極論すれば理学と工学では全く反対の方向を向いて研究している、ということだ。
P68 無駄の反対語は贅沢
P71 生命保険にお金をかけるのは無駄だろうか。【中略】人間はいつ死ぬかわかっていると人生を最適化できるのではないだろうか。【中略】「皆さんを見ていると、まるで160歳まで生きるかのように行動している」とも付け加えた。耳の痛い言葉だが、期間を設定することが無駄を考える上でいかに重要かを言い当てている至言ではないだろうか。
P90 稼働率と可動率・・・稼働率が高いと良さそうに思えるが、実はこれが作り過ぎの無駄を生む、と考える。必要な量だけ作ればよいので稼働率は低くてもよい、という発想が無駄とりには必要なのだ。つぎに可動率だが、これは必要な時に100%機械が動く率で、これこそ100%が望ましい。
P127 「日本人は一人一人は豚でも三人集まると龍になる。中国人は一人一人は龍でも、三人集まると豚になる」
P186 何事も事前に検討しすぎるとリスクが強調されてしまい、やらない方がいいという結論になってしまう。また誰かが経験してうまく行ったところだけを教えてもらえば効率がよい、と考えている人には一生知恵はつかない。たとえ失敗しても挑戦した人には多くの知恵が身についているのだ。
ものづくりの二つの考え方・・・「組み合わせ」と「すり合わせ」</blockquote> -
無駄には三種類あるという。「ムダ」は自覚している無駄。無駄と感じていながら、ついついやってしまう。「むだ」は、最初は良かれと思ってやっていたが、結果的に無駄になってしまったようなもののこと。そして「無駄」は原因が本人にはなく、自分ではどうすることもできないもの。だから取り除くのが難しい。無駄を取り除くには無駄が見えないといけない。無駄の見える可。プロセスを細かく分けることで無駄が見えるようにする。そしてそれを取り除く。著者は長年の渋滞研究の中から、「無駄」ということに興味を持ち「無駄学」にまで持ち上げてしまった。中身の大半はメーカーなどの生産現場での無駄取りにさかれている。どちらかと言うと経営学の本のよう(経営学の本なって読んだことないですが)。実は本書を読んでいると、まだまだ著者自信のことばになっていないところが多く、前作の「渋滞学」に比べると、読みやすいが内容の薄さが気になった。ただ、著者自身があとがきで言っているように、これからは科学者であろうと、遠慮せずもっと社会のこと経済のことなどにも口を出していくべきなのだと思う。本書がそういうきっかけになればよいと思う。「無駄を分類していくうちに、資本主義の今後を大きく左右する大問題にぶつかった」という前書きのことばで、即購入してしまったが、残念ながら最終章まで読んでも、今までにいろいろなところで読んできたような話が多く、「なるほど!」と思えるものはさほど多くなかった。ただ、仏教の考え方としての「幸せ=財÷欲望」というのは確かにそうだと思えた。