「患者様」が医療を壊す (新潮選書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036712

感想・レビュー・書評

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  • ディアレクティック。
    対立をもう一段上部の視点から止揚させること。
    好き嫌いの問題と構造の問題を取り違えないこと。
    【追記】
    知人がこの本のことを『パターナリズム』だと(ーー;)。
    違うでしょ。
    11/06/19

  • 医者ものドラマ House
    「どうしてこの患者は欲しているのだろう」と一歩進めて考えてみる。「なにかご心配になる理由でもあるのですか」と誘い水をだしてみる
    医者なんて信じられないという世界観の患者はたいてい不幸
    開業医と勤務医の差はその能力の差にあるわけではなく、知の体系の守備範囲が違うだけ
    そう簡単に答えがでないような命題には、そう簡単に答えをださない
    ベイトソンのダブルバインド メディアの常套手段 どっちに転んでも文句をいう
    談志 「愛の為に死ねる、というのは自己愛に過ぎない。それでてめいが楽になるだけじゃないか」
    負けるが勝ちの言葉通り、表面的な部分で言い負かしたって世の中そんなよいことはありません。一歩引く「大人の態度」が大切です。

  • 患者と医師が平等なんてありえない。
    お医者さまは偉いんです。
    この医者大丈夫かなぁ?なんて思っちゃいけないんです。

    というファンタジーを共有すること。
    それが患者のため、医者のためになる。

    その理路については読んでのお楽しみ。
    いつも通りの軽妙な文体で読ませてくれます。

    後半は『基礎vs臨床』などいろいろな対立軸を通しての筆者の意見が語られる。
    が、結局は物事は白か黒か、対立させてはいけないよ、というメッセージか。

    内容とはあまり関係ないけど、
    『この患者は自業自得』と考えず、そういう人こそ手厚くケアをしてあげたいものだ、という意見には気づかされるものがあった。
    思ってるかもしれない、そんなこと。
    反省。

  • 何かを解決するときに「どちらが正しい」を問う二者択一ではなく、対立した概念それぞれの役割をよく捉えることが自然な在り方だ、ということを感じさせてくれる一冊でした。

    たとえばタイトルの事例でいえば、患者と医者どちらが主体だとか優位だとかいうよりも、どちらにも立場や役割があり、それ以上のものはない、という理解が可能です。どちらもが、それぞれに相応しい在り方・ふるまい方を選ぶことで、気持ちよくお互いの目的を果たすことができます。

    どちらか一方の権利だとか義務だとかをふるいかざして正しさを強調することは非生産的ですね。

  • 医療者も患者も読むべし。医者も人間、という(極めて当たり前、しかしあまり認識されていない)考え方がベースにあるように感じた。

  • 「患者中心の医療」はなぜ間違いなのか―?医者と患者は対等であるべきだ、というポリティカリー・コレクトな言説が、医者も患者も不幸にする。お医者さんはなぜ「偉い」のか?「賢い」患者はなぜ損をするのか?「全人的な医療」に隠された欺瞞とは?「薬害」は本当に存在するのか?意外な視点から、医療現場の対立構造を解きほぐし、コミュニケーションのあり方を洞察する一冊。

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著者プロフィール

1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業。神戸大学都市安全研究センター感染症リスクコミュニケーション分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授。著書に『コロナと生きる』(朝日新書、内田樹との共著)、『新型コロナウイルスの真実』(ベスト新書)、『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル新書)ほか多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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