- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037467
作品紹介・あらすじ
あなたはなぜ他人から正しく理解されないのか? 人類が誕生して以来、国家間から男女の仲まで、「誤解」がもとでの悲喜劇は絶えることがない。それは恨み、嫉妬、断絶、争いを呼び、時には歴史を変え、芸術を生み、科学を発展させてもきた。人間とは切っても切り離せない「誤解」の、原因や種類からメカニズム、対策まで、気鋭の渋滞学者が系統立てて考察した前代未聞の書!
感想・レビュー・書評
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渋滞学の先生。
誤解「学」って何よと思ったんだが、いわゆる誤解、というものの定義を明確にして、要素、原因に分解してモデル化して、考察する。
もちろん現実には個々人の個性とかいろいろ絡んできて簡単ではないはずだが、そうか、こういうアプローチがあるのかと唸る。
例えば、異なる認識の二人がいる場あり、5割相手に寄せる温厚な人々を想定すると、議論を持ちかけた方が有利に終わったり、信じる信じないの話を人に話せば、元の信憑性に関わらず5割ずつくらいの情報になるので、どっちかが優勢な議論が伝わってくれば眉唾だと思った方が良かったり、面白い結論が出てくる。
面白い先生だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
誤解はコミュニケーションの流れにおける渋滞のようなもの。
ゆとりが大切と感じました。 -
「誤解」とは何か、なぜ誤解は生じるのか、を「数学的」に考察する本。
著者は東大の先生で、渋滞学、無駄学などの著書もあり、分類癖、分析癖?があるらしい。
確かに純化して法則を発見し、次の経験に役立てるという「数学的」視点はわかるけど、内容は自明な感じで、それをやらなくても・・・という感じがしないでもない。
例えば後半、誤解を避けるため、ひいては衝突を避けるためには中庸の精神、仏教の心に答えがあったみたいな話にはちょっと鼻白むし、政治・経済・生活の「誤謬」を誤解と言い換えて関連を述べるあたりも、ちと強引ではないか。
あまり充実した読書ではなかった。 -
コミュニケーションは二者間で情報交換が図
られている状態で、情報交換が上手くいけば
誤解は生じない。二者の間で真意を探り合い
結果、一致、合意すれば良い。これには、
伝える力と理解する力が必要である。伝える
力は正しく伝える事であり、暗黙知に頼らず
曖昧さを無くす。相手を知らないと正しく伝
えられない。また、理解する力は、先入観を
持つと偏見、盲信に繋がり、誤った理解に繋
がる。互いの信頼関係が大切で共有機会を持
ち、合意形成を得る事も大切である。 -
選書なのに読みやすく面白い。
誤解ってどんなんがある?誤解って何?どうすればいいの?など一連の誤解についての記述がある。
筆者は渋滞学の専門家。筆者いわく、誤解もコミュニケーションの渋滞だそうだ。「相自時妙」
社会と誤解の章は、社会科学研究者なら当然の事柄だけど、読者にはぜひとも一読してもらいたい。
私的にはあとがきに惹かれた久しぶりの書。 -
■「誤解学」読了 ★4つ(5点満点)
「渋滞学」で一部で有名な東大教授西成さんの本。
彼は、完全な理系。工学系の学者なわけですが、「誤解」というどう考えても文系っぽい話題を理系の切り口で扱っているのが面白いところ。
具体的には、科学者っぽく、誤解のメカニズムを(渋滞学で鍛えた)モデリング手法で分析を試みている。
主論点ではないのだが、一番印象に残ったのは「誤解が生じる原因で最大なのは『省略』にある」ということ。
最近ロジカルシンキング講座で、文章添削しまくっている身としては、かなり刺さったので、テキストに1スライド追加しました。
●誤解を防ぐ:省略と無駄の違い
・文章では、省略は減らす、無駄は削る。
・削っても情報量が変わらないのは無駄。情報量が減るのは省略。
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誤解をモデルを立てて説明している。そのモデルから導かれる結論は割と当たり前であったり、心理学で説明できることで新たな気づきはなかった。改めて誤解というものが生じるメカニズムを論理的に整理するためには役立つ本だと感じた。
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誤解というコミュニケーションの問題を数理モデルで定義する試み。渋滞学、無駄学に続く応用数理の啓蒙書?
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第2章の「誤解の理論」は当初取っ付きにくい感じだったが、読んでいくうちになんとか理解できるようになった.面白い理論だ.示唆に富む事柄が満載だが、142頁の次のフレーズが良かった.「我々は真意での合意を望むのではなく、お互いが誤解していると感じないように努力することこそ重要なのだ.」