- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106038099
作品紹介・あらすじ
「損して得とれ」「急いてはことを仕損じる」は、数学的に正しい! 経済が縮小傾向にあると、人はつい短期的な思考に陥る。目先の利益を優先させるあまり技術の蓄積が疎かになり、次世代を支える長期プロジェクトも立てにくくなる。10年前に渋滞学を世に問うた数理物理学者が、「長期的思考」がいかに正しいかを多くのロジックで証明。ビジネスに応用できる「四つの逆説の法則」が企業を救う。
感想・レビュー・書評
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・空間:「空けるが勝ち」、「分けるが勝ち」。時間:「かけるが勝ち」。人:「負けるが勝ち」
・小集団のメリット「意思決定の速さ」「責任の所在の明確化」「モチベーションの維持」
・企業経営にとって最も重要なことは「利益」ではなく「永続性」ではないだろうか
・失敗を許容する風土が必要である。失敗を許さない雰囲気の組織は、予定調和で面白みが欠けるモノしか生み出せず、また失敗を避けるために不正やごまかしが横行して組織を蝕んでいく詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20220505
・無駄とは、①目的、②期間、③立場、を決めないと定まらない。
・生産性が最大化されるのは、実稼働率70-90%の時
・空間は空けるが勝ち、分けるが勝ち。時間はかけるが勝ち。人には負けるが勝ち。
・相手を動かすには、3つのコミュニケーションを使い分ける。情か論理か金。
長期的視野、利他的視野、道徳的視野がとても大事だということは論理としてとても勉強になったが、講演を聞いた時と同様、明日から自身の業務や生活にどう活かせることがあるかというと、やはりピンとこないものがあった。渋滞の時は左車線を走るということくらいか。。。 -
渋滞学で有名な西成氏の本だけあって、意外な視点、意外な切り込み方で、日常に潜む「そんなことしたら逆にダメにならないの⁈」と思うような逆説の事例が次々に語られます。
ややもすると逆説の事例集的なところもあるのですが、とにかく意外性の塊のような本で、知的にも楽しめます。また、実用的なケースもかなり多く、知識として知っておくと、日常でも人と違う行動を選択出来るようになったりしてオトクでもあります。 -
先日のTDUでの講座で「この人のプレゼンめちゃくちゃ面白い」と思い、著書があったので手に入れて読んでみました。渋滞の成り立ちと解消についての話もそうですが、どこまでのスパンで考えるかのタイムスパンを長めに取ることで、直近ではセオリーと異なるような逆説的な動きが、結局一番良い結果を生み出すケースも多いことを事例や実験結果とともにいくつも紹介されていて、非常に興味深く読みました。「時間軸のコスパ」が短く取られがちな今の情勢、風潮に別の視点を投げかける、とてもいい1冊でしたね。
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難問。ただ乗り野郎を許さない部分最適が全体最適を妨げる。フリーライダーを嫌っていては埒があかない。
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P.32, p.137
無駄とは「目的」「期間」「立場」の三つを定めないと決まらない。 -
長期的視野の有用性について述べられている。
短期的にはマイナスの行動も、長期的に見れば結果的に大きなプラスをもたらすことが多々ある。実際の現在社会での具体的な例を数多く紹介している。
短期的視野を捨てて急がば回れを心がけることで、将来的な成功に近づくことができる。 -
「渋滞学」の続編。
空間 空けるが勝ち、分けるが勝ち
時間 かけるが勝ち
人 負けるが勝ち
ということを繰り返し力説。 -
数理物理学者の著者が長期的思考の価値について自身の見解と研究による結果を書いた一冊。
短期的な傾向にある現代の日本において、「空けるが勝ち」「分けるが勝ち」「かけるが勝ち」「負けるが勝ち」の4つにわけて長期的思考の重要性が解説されており勉強になりました。
著者が実証した研究結果や事例をもとに著者が専門とする研究の分野や企業のあり方や教育や国家など多岐にわたり見解が述べられており、著者の見識の深さも味わうことができました。
また、知らないことも多くあり、そのなかでも日本企業には200年続く企業が世界の半数以上も占めていることや改善においてはフォアキャスト型よりバックキャスト型の方が優れている点などは勉強になりました。
また、企業会計におけるトリプルボトムラインの考えは大変面白いと感じました。
また見解の部分でも刺激を受けたところも多くあり、人工知能に対する著者の見解が刺激を受けました。
著者が以前に出版した書籍のテーマとした渋滞については本書でも詳しく述べられており、速度調節によって渋滞形成を防ぐことができることは勉強になり、信号の切り替えや電車のダイヤなどバランスが大事であるということを感じました。
また、公演の際の静かに話すテクニックは使えると感じました。
本書を読んでゆとりを持って行うことがいい結果につながるということを感じるとともに、長期的思考は現在の日本において強く意識しなくてはいけない問題であるとも感じました。
一時はマイナスであっても結果はプラスになることを信じ、利己的な行動を心掛けていきたいと感じました。