- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106038259
作品紹介・あらすじ
ますます広がる亀裂。イスラーム2大宗派の対立が全ての根源にあるのか? イランとサウジのにらみ合い、シリアやイエメンでの内戦やテロの拡大、進まないイラクの復興など、どの問題の陰にも正統・多数のスンニ派と異端・少数のシーア派の対立がある――この理解は、物事の半面しか見ていないに等しい。シーア派への警戒感は、なぜ高まったのか。宗派対立への誤解を意味ある議論に変える意欲的な試み。
感想・レビュー・書評
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サイクス=ピコ協定の呪縛と本書の2冊で、今回のパレスチナ危機事態を少し俯瞰して見ることができるようになった気がします。
イラク戦争におけるアメリカの戦略的失敗についてのくだりは、正に目からウロコの冷徹な解説でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/712629 -
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前作に引き続き歴史的な背景を豊富に踏まえて、現在よく言われる「シーア派とスンニ派の対立」とは何かをわかりやすく解説しています。
レバノンについても1章割かれていました。改めて、レバノンについてはほかの書籍なども読んでもっと知りたいと思いました。 -
「中東大混迷を解く」シリーズの第二弾。
なんとなく知った気でいた、シーア派とスンニ派の違いが理解できると共に、この二つでは簡単に分けきるとこのできない「宗派」について考える機会となる一冊だった。
また、あまり日本の報道で見ないレバノン情勢についても勉強になった。
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ほとんどの日本人と同じく、イスラム教についての知識を体系的に学んだこともない自分にとって、入門となる一冊。「スンニ派」と「シーア派」という言葉自体は聞いたことがあってもそもそもその意味すら知らなかったが、著者の丁寧な解説によって、少しずつ理解が深まっていくようにできている。
中東で現在進行形で起こっている争いについて、理解するための基本事項を教えてくれるとと同時に、より深く勉強をしたくなるようにうまく書かれている、よい教科書だと思う。 -
シーア派とスンニ派の違い、最近の中東情勢が分かりやすく書かれていた。
「想像の範囲を超える事象を前にすると、人間心理には、それを自分の理解できる範囲に合理化しようとする傾向があるようだ。」 -
シーア派とスンニ派の宗派対立という図式について、皮相的な見方であるとして、教義としての対立でなく、あくまで利害対立であることを説明している。宗教が生活に根差してない日本人には想像できないが、日本人から見ると、宗派を教義の違いからの衝突ではなく、むしら政治や会社で見られる派閥の対立と見た方がしっくりくる感じがした。
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いろいろな軸で説明されていて、理解が深まったと思う。
トーマス・フリードマンとニューヨーク・タイムズについてバッサリ切っていて、物事は両方の面から見ないといけないなあと改めて自戒。
これは、イスラム社会のように、自分の住んでいる社会と仕組みや習慣が違う社会を見るときにも、忘れてはいけないと感じた。