明治天皇を語る (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100017

感想・レビュー・書評

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  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    明治天皇とはどのような人物だったのか?暮らしぶり、言葉遣いとは・・・?途方もないほどの変化を遂げた「明治」という時代を掌った明治天皇の人物像に長年に亘って日本の文化研究に貢献し続けるキーン氏が迫ります。
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    所在番号:新書||288.4||メイ
    資料番号:10153745
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  • 明治天皇を知るためのの入門本。

    いわゆる近代の以降の天皇とは。その入り口にしたい。

  • 費用がかかるからと、新皇居建設に反対されたり、あて布をした服を着用されたり。
    でも、香水は3日で空にする程、好き。お酒も好き。

    明治天皇の人柄が垣間見れる本でした。

    劣悪な環境や天候の中、訓練中の兵たちを見つめ微動だにせず、何時間も同じ場所に立ち続け、見守っている姿。
    ・・・何も言わなくてもただ、そこにあるだけの重要さって確かにある。

    日露戦争で勝利の報せを受けた明治天皇の第一声が
    「降伏した将軍の武人としての名誉を大切にせよ」
    だったというのに感動しました。

    明治天皇が乃木を学習院長にしたことは有名ですが、ずっと腑に落ちないでいたのですが、この本を読んで解消されました。
    ・・・そっか、そっか。納得。

  • 著者には、「明治天皇」という大作があるが、本書はその本の紹介というかエピソードなどを記した本である。明治天皇は、当時の諸外国の皇帝と比べて最も立派で大帝と呼ぶににふさわしいと著者は言う。近代日本の立役者であるのに、その実態は知られていないというか書くのは畏れ多くて手付かずになっていたのを、外国人である筆者だからこそ客観的に書いて評価しているのだろうと思うが、それでもそこまで言い切るのだから、本当に偉大だったのだろう。そのような天皇がいたことをなぜか誇りに思ってしまうし、もっと知りたくなってしまう。つまり、この本を読むと、筆者や出版社の思惑通り「明治天皇」を読みたなってしまうのだ。

  • (欲しい!)/新書

  • 国民から畏敬され、非常に愛されていた明治天皇陛下。国民を思い、国民の目線で生き抜いたお姿に、明治神宮がたつ由縁を知る。

  • 私にとって天皇とは、同じ人間だからこそ神のような存在に映る。

    著者ドナルド・キーンはあとがきで言う。

    「明治天皇には、こういった(当時のドイツ皇帝や朝鮮国王のような(栗原・注))横暴な言動は一度もありません。やろうと思えばできたことなのです。十分な権力がありながら行使しなかった」

    このような人物は、同じ人間として全く信じがたい。私だけではなく、皆心ひそかに思っているのではないだろうか。北朝鮮の独裁体制を口では非難しながらも、自分が金正日と同じ立場に立たされたら、あんなものでは済まないほど富と権力を我がもの顔、したい放題にするのではないかと。そしてそれは恐らくそのとおりなのだ。

    私は照れ隠しもあり、自らを「皇室マニア」「天皇マニア」などと呼んで憚らないが、本当はそんなものではないのは重々判っている。私がここまで天皇のことを調べてやまないのは、どこかに、同じ人間としてのどうしようもない弱さを見つけ出し、その存在を腑に落としたいのだ。

    結果はその逆で、時間が経てば経つほど逆になっていく。

    著者はアメリカ人だからその記述はどこまでも客観的だ。あくまでも公平に、明治天皇が若干理不尽な理由で癇癪を起こした様も伝えるが、それさえも後で、

    「自分が悪かった、今後も自分に悪いところがあれば言ってくれ」

    と臣下に謝罪するというのだから、ほとんど脅威的ですらある。繰り返すが、当時の明治天皇は金正日などとは比較にならないほどの権力を握っていたのだ。

    結局、この本を読んでも、ただただその人物に感心するばかりで、求めてやまない『何故あのような偉大な皇帝が生まれたのか』という答えは見つからなかった。

    ただ、『信じがたいほどの偉大さ故、その偉大さが忘れ去られようとしている』ことだけは解ったのである。

  • 誰でも知っているようで、教科書でも歴史小説でもあまり取り上げられることのない、明治天皇の人となりと、どのような指導者であったかを興味深く説いている。ドイツやロシアのような暴君ではなく、当時の皇帝の中では世界一と述べている

  • 著者は、日本文化の英語での紹介者として有名。
    イギリスに近代制度を学び、皇室制度が確立していく過程を、一人の天皇に即して、辿っている。
    日本人の目で見るよりも、より本質的な事項を記述しているかもしれない。

  • 外国人に明治天皇の実像を教えられた
    和歌を詠まれたこと、写真嫌いっだたことなど、しらないことばかり

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著者プロフィール

1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学名誉教授。日本文学研究者、文芸評論家。2011年3月の東日本大震災後に日本永住・日本国籍取得を決意し、翌年3月に日本国籍を取得。主な著書に『百代の過客』『日本文学の歴史』(全十八巻)『明治天皇』『正岡子規』『ドナルド・キーン著作集』(全十五巻)など。また、古典の『徒然草』や『奥の細道』、近松門左衛門から現代作家の三島由紀夫や安部公房などの著作まで英訳書も多数。

「2014年 『日本の俳句はなぜ世界文学なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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