ろくろ首の首はなぜ伸びるのか 遊ぶ生物学への招待 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101489

作品紹介・あらすじ

ドラキュラはなぜ日光で灰になってしまうのか。モスラはどうやって呼吸しているのか。人と魚が合体して人魚になる過程、カマイタチの鎌の成分、カオナシが食べた生物の声になるメカニズムとは-。古今東西の「架空生物」の謎を最新生物学で解き明かす。読み進むうちに頭が柔らかくなること間違いなし。仮想と現実、冗談と本気、奇想と学問が大胆に結合した「遊ぶ生物学」。

感想・レビュー・書評

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  • 架空生物の謎を最新生物学で解き明かす。学術名まできちんとつけて、科学的に大まじめに考察していて、それがまたすごくおかしい。

  • 架空生物のことを、まず生物学的背景を述べてから、解説する。もっともらしい背景があるから納得しかけるのだけれど、そもそも架空だし、ネーミングも変だし、うっそだろ、と思う。まだ、解明されていないこともいっぱいあって笑ってしまう。
    真面目に遊んでいるので、どこからどこまでが本当か分からなくなる。著者は簡単と言っているけれど…。あまり役には立たなさそうだけど、これは、「教養」に分類されるのかな。不思議な世界でした。

  • 真面目な体をなして実にふざけています。
    それは著者がきちんと
    生物の構造を知り尽くしているからこそできる
    高度なお遊びともいえましょう。

    解説の中には
    ご親切にも図がついていて
    明らかにこれはあり得ないだろー(笑)
    となっても信じ込んでしまうような恐ろしい
    魔力を持っているのです。
    恐ろしい著者…!!

    面白かったのは百メートルの腸を持つ
    ケンタウロスやカオナシはどうやって声を出したのかを
    まあ真面目でおバカに解説するのです。

    文献もさも当然のようにあるように見せかけて
    ないという巧妙っぷり。
    人によってはお怒りになるかも。
    でも嫌いじゃない。

  • http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA74675754

    読書マラソン感想カードより:

    どこまでが本当でどこまでがウソなのかわからないが、とても面白かった。障子に目ができる目目連やヨナグニサンが巨大化したモスラなど説明がよかった。図なども分かりやすくおもしろかった。

    オススメ度:★★★★★
    ポチ丸
    所蔵情報:
    品川図書館 460.4/Ta63

  • タイトル一本釣りだが内容は負けてない。まともなソースと石燕や荒俣宏が混在している。真面目に空想を科学している知性とエンタテイメントの作品。惜しむらくは内容に対して文章がやや堅すぎで、見慣れない熟語は排したほうが良かったように思う。
    ケンタウロスがお気に入りで確かに胃腸や心臓がどうなっているのか真面目に考えるとこの答えにしかならない。

  • ろくろ首の首はなぜ伸びるのか。タイトルを見た時は、グフのヒートロッドがなぜ伸びるのか、に等しい問いだと思った、マジで。グフの件はマスターグレードの説明書でこじつけてある。本書はそんな感じの本である。リスペクトしている「鼻行類」が、本当にそんな生き物がいたのか、という驚きに包まれていたであろうものに対して、本書はタイトルからして、その驚きを諦めてしまっている。それが僕がグフのヒートロッドを想像した所以でもある。だがそのことが本書の価値を落とすことにはならない。こういうことを真剣に追求することこそが、人が人である余裕というか、賜った愉しさなのだ。想像してみよう。ケンタウロスの消化器官。鵺の免疫寛容。吸血鬼は光合成しすぎ。そして、カワリオオアゴウツボで、僕は路頭に迷う。
    いいぞ、もっとやれ。
    だが著者は最近割りと真面目な本にシフトしてしまった。それはそれで面白い。だからこそ僕もこの本に辿り着いた。でも。だからこそカムバック、こちらの世界。

  • 評価が難しいってか、割れるところかな~。別に新書で出さなくても、って気もするけど、こういう学問として読めば、それはそれで十分味わい深いともいえる。強引な論旨もありそうだけど(当たり前)、それなりに調べられて考察を加えられた上で書かれてるのも分かるし、やや流し読み勝ちではあったけど、自分的には、それなりに楽しめました。

  • 想像上の生き物、ケンタウロスやヴァンパイアなどなどを現代生物学を用いて科学する話。
    目目連は本当にいるらしい・・・。絶対怖いと思う。

    人形やヴァンパイアが本当にいると信じていた頃、実はいないのだといわれて世界はケチくさいな、と感じたことを覚えている。紙の上では存在できるのに、なぜ実体となると世界から追い出してしまうのだろう・・・、と考えていた気がする。でも、今考えると本当にいたら怖い。だがそれを科学できる現代ならば、実態を作り出せるのではないかと思うとわくわくするのはなぜだろうか。

  • 妖怪の生体構造を、予測不可能な機能の創造と予測可能な構造の応用で可笑しく真面目に考察。そこには心霊もオカルトもカバラもプラズマもなく、ただ物理的に存在している前提で生物学論が繰り広げられる。あたかも、リアル民明書房だ。

    もっともらしさにほくそ笑む、思考遊戯の一冊。

    【妖怪】ぬえ・かまいたち・ろくろ首
    【西洋】ケンタウロス・吸血鬼
    【怪獣】モスラ

  • まじめで学術的に嘘を書いた本。いいわー、こういうジャンル好き。ろくろ首以外に、カオナシの声が変わる理由やケンタウロスの内蔵がどうなってるのかとか、空想・仮想の生物の謎を実際の生物学的見地から解説されてる。どこまで正確かはわからないけど、素人目には「へえ、そうなってるのかー」と本当に信じてしまえるレベル。

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著者プロフィール

武村政春(たけむら・まさはる)
東京理科大学教授。
巨大ウイルスの生態と進化にオタク的興味をもつ。
真核生物の起源にも多大なる興味。
現在は筋肉(筋トレは趣味ではなく、そのための単なる方法に過ぎない)にも大いなる興味をもっている。
もともとの専門は生化学とか分子生物学とか。
2001年細胞核ウイルス起源説を提唱。
2019年メドゥーサウイルスを発見。
出身は三重県津市。
1998年名古屋大学大学院医学研究科修了。
博士(医学)。

「2022年 『ウイルスの進化史を考える ~「巨大ウイルス」研究者がエヴィデンスを基に妄想ばなしを語ってみた~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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