人間の器量 (新潮新書 340)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103407

感想・レビュー・書評

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  • 頭の良し悪し、論理性、思いやりなどといった人の内面、能力を抽象的にテーマにしている本は往々にして「俺様(著者)の好みものさしに沿うものが是、沿わないものが非」となりがちなのがだが、この本も全くその例に漏れていない。この本に名があがっている人は著者のものさしからすれば器量がある人みたいなのだが、基準がいまいちわからない。また、自分の考えを主張したい意識が先行して、論理の飛躍が度々みられる。例えば、戦争から人物が生まれるらしいのだが、なぜ戦争じゃないといけないのか、戦争以外ではなぜ人物が生まれないかの説明がしっかりなされていない。一方で田中角栄、角川春樹といった戦後育ちを人物にあげているが、この矛盾への説明はなし。正直後半、居酒屋のくどくど自説をまくし立てるおじさんを相手にしてる気分になってきた。まぁ、無視しても損をする本ではないと判断するが、「愚説愚論聞くべし」(P.31)とした方が器は広がるのかな?

  • 人間の器量というテーマであるが、読んでみて絶句した。
    ただの幕末からの偉人の羅列にすぎない。

    いかにも評論家の書いた文章という感じがする。
    今の日本人は器が小さくなったというが、その根拠は何か?
    列挙された人が器が大きいという理由は何か?
    人を殺した人間を器が大きいと言えるのか?
    日本人の器を大きくするためにあなたは何をしたのか?
    そもそも自分の器を大きくするために何をやったのか?
    久しぶりに大外れという感じ。
    残念。

  • 現在の否定から入ればそうなる?
    過去の偉大な人物は、未来の人間が評価してそうなる。
    当時の人がどうおもっていたかは本当はわからない。
    でも、たしかに現在は、白黒はっきりつけすぎているとは思う。

著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。批評家。慶應義塾大学名誉教授。『日本の家郷』で三島賞、『甘美な人生』で平林たい子賞、『地ひらく――石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2023年 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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