マネジメント信仰が会社を滅ぼす (新潮新書 401)

著者 :
  • 新潮社
3.10
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本棚登録 : 292
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104015

感想・レビュー・書評

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  •  「マネジメントに凝っている暇があったらビジネスをしろ!」というのがこの本のメッセージ。マネジメント過剰に陥った企業は内向きになり、社員の挑戦意欲は薄れてしまう。マネジメントではなく本業のビジネスに注力することこそ企業が復活する道だと著者は主張する。
     納得できる部分もあったけど、なんでもかんでもマネジメントのせいにしているような印象も受けた。辛口コメントは面白いんだけど、著者の主張の裏付けとなるようなデータがもう少し欲しかったかな。

  • 元コンサルタントでマネジメントの重要性を伝えていた筆者があえてそれを覆すかのような論を展開する。
    実例が多くてわかりやすいし、たしかにありがちなマネジメント論を会社に取り入れた所でどこの会社でもうまくいくという処方箋はないわけで。
    それをわかった上でいろいろやらなければいけないよね、と至極まっとうな話なのですが、それだけに、代案も欲しくなってしまう。勘と経験と度胸、が大事なのは同感ですがね…

  • ビジネスが主でマネジメントは従で、マネジメントが機能していなくてもビジネスがうまく回っていれば良いというのは理解できる。

    全体としてそれを述べているのだが趣旨自体は冒頭で完結してしまっており、中盤から後半は読まなくてもいいか。

    マネジメントをうまく回すことに注力して“時間稼ぎをしている”という表現はヒヤッとしたけど…。

  • なぜ「マネジメント信仰が会社を滅ぼすか」、しっくりこなかった。
    なぜ「経験と勘と度胸を重視」すればいいのか、よくわからなかった。
    なぜ「他人を変えるより自分が変われ」ばいいのか、よくわからなかった。

    ぼんやり考えていることを、無理やりタイトルに結びつけてまとめただけに感じた。
    部分部分は、共感できるけど、全体を見ると結局ぼんやりしたまま読み終わった。
    すぐ読み終えられるので、興味があっても立ち読み程度でいいと思う。

  • 読了:2012/4/9

    p. 5「20年ほど前なら、ホワイトカラーやコンサルタントの理論や手法を盾にした進言を経営者が一喝し、強引に自分の意志を貫いていた。だから当時の日本企業は強かったのだ。」

    なんじゃそりゃ。「だから」の前後のつながりがサッパリだ。
    この「だから」をすんなり受け入れることのできる人は、バブル期を経験したおっさんばかりだろうなぁ。
    と思ったら著者はやっぱり1962年生まれのおっさんだった。

    おっさん同士の居酒屋談義を本にしちゃった感じで、上から目線や決めつけが多く、読んでいて不快。
    断言する根拠もよく分からない。

    「昔はよかったのに…」というおっさんを、「なぁ!そうだよなぁ!」と勇気づけるためだけの本です。

  • 日本企業が元気がなくなったのは、マネジメント理論が幅を利かすようになったのと同時に、経営者が無難な選択ばかりで、自分の勘や経験に基づく意志決定をしなくなったことと時期を一にしている。ビジネスを作り出して稼ぐことよりも、マネジメント手法による管理自体が自己目的化し、評価されるようにもなった。日本の経営者はもっと自分に自信をもってリスクを取るべきだし、リスクをとって新規事業に挑戦する人材を評価する仕組みを整備すべき。
    著者の主張は尤もだし、著者自信がコンサルタントでありながら、ここまで欧米流のマネジメント手法を酷評するのは、ある意味痛快でもある。確かに現在は、経営者がリスクを取らなくなっているのは現実にそうだと思うし、身近な事例もある。だが、同時にそれだけが日本企業凋落の原因ではないだろう、という気もする。
    東西冷戦の終結と旧社会主義国の労働力の大量発生、同時期に中国のWTO加盟と巨大市場と巨大工場の発生。こういったマクロ的な、歴史的な流れの中で従来のやり方を維持し、グローバル化に乗り遅れた日本が徐々に力を失ったのは必然的だろう。
    反マネジメント論は小気味良いので本書は好きだけど、実際の問題はもっと根深いものがあると思う。

  • ビジネスが主、マネジメントが従。

  • 本来手段であるマネジメント(手法)が目的化するのが問題といえる。その解決策が「勘と度胸でビジネスを進める」と筆者は主張し、確かに一理あるとは思うが、実力のないものが勘と度胸で突っ走っても失敗のリスクが増えるだけであり、なんら新しい解決策は提示していないと思う。

    イノベーションのために新たなルールを作り、それが守られているかにばかり気をかけるのは結局責任逃れをしたいだけ、とは耳が痛い。「審判ではなく監督になれ」は心がけたいところ。

    世にひしめくマネジメント信仰に一石を投じる。たまにはこんな本も読んだ方がバランスが良いのではないか。

  • 1時間で読み終えられた。
    約1年前の書なので、やや古い印象。
    逆に言うと、それだけ企業経営における様々な神話の賞味期限は短いということ。
    著者は「マネジメントよりビジネス」「理論より経験・勘に基づく意思」と説くが、個人的にはマネジメントとビジネスはトレードオフの関係ではなく、「経験・勘に基づく意思と、論理的検証」が重要だと思う。
    この本に当てはまる企業は二周以上遅れている。

  • ビジネスは「本質」や「中身」であり、マネジメントは「やり方」や「スタイル」に過ぎない。ビジネスが上手くいってない状況でマネジメントに力を入れてもダメだという論理。学ぶことが多くあった。
    ただ、マネジメント信仰に陥るのは確かに良くないが、「経験と勘と度胸を重視せよ」というのは結局精神論ということなんだろうか。
    【今後に活かしたいこと・取り入れたいこと】
    ・「あるべき論」や「一般論」ばかりでなく意志を示す。
    ・マネジメント信仰により、顧客よりも組織を重視しだす。ビジネスを意識をし「外向き志向」を心がける。
    ・不祥事を防ぐには、マネジメントを強化するのではなく、社員一人ひとりが顧客や市場の目を意識してビジネスに対する倫理観を持つようにすることが重要。

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