- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104800
作品紹介・あらすじ
ポピュリズムという毒が日本中に回っている。小泉ブーム、政権交代、そして橋下現象…なぜここまで政治は衰弱したのか?メディアの責任と罪とは?「大連立構想」驚愕の舞台裏から、小選挙区制・マニフェスト選挙の問題点、ポピュリズムの理論的考察、そして経済復活の秘策「無税国債」私案まで。「衆愚」の政治と断乎戦う-半世紀超の政治記者歴による知見が込められた、読売新聞主筆による渾身の論考。
感想・レビュー・書評
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何かと批判されることの多い独裁者渡辺恒雄氏。排他独善的な主張のオンパレードかと思いきや結構冷静に現代を見つめている。情緒に訴えるのではなく冷徹な事実を基に論を進めており、該博な知識、海千山千の豊富な経験にはただただ圧倒されるばかり。さすがに読売グループの頂点に君臨するだけの御仁である。とりわけ政局の裏表での暗躍秘話は興味深く行間に無限の想像を馳せることができた。衆愚政治がいかに国を駄目にするか。納得させられる点は非常に多い。終章では国の破綻回避のための処方箋も示している。見事な反ポピュリズムで貫かれている。全てを支持するというわけにはいかないが歯切れのよい正論には清しい爽涼感をおぼえた。
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ナベツネってこんなこと考えてたのか。我田引水的なところなしとしないが、今の政治状況に関する危機感、そうなったいきさつなど、頷ける点多し。中選挙区制復活の提案は賛成。
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ポピュリズム(政治の大衆迎合)の危険性を論じた本。
幅広い視点から、最近の事例や歴史を紐解きつつ、
著者自身の経験を交えて書かれる内容は、
決して飽きることなく、一気に読了に至った。
本書の柱ともなっているが、
小選挙区制やマスコミ、マニフェストの罪・弊害については、
大変興味深く読むことができた。
例え、著者に対して何らかの特別な感情を持っていたとしても、
読めばその感情も和らぐのではなかろうか。 -
自分がやってきたこと(自民党と自由党の連合政権結成の支援など)と、自分の思いつきを自画自賛している本。
この人の定義するポピュリストは、この人の判断で実現不可能な政策やマニフェストを掲げて選挙民の関心を買おうとする政治家を指しているらしいが、その定義で一貫しているわけではなく、単に自分が嫌いな政治家(で国民に人気がある人)をポピュリストと読んでいるだけの様に見える。
思い付きの政策は、相続税が無税になる無利子(またはマイナス金利の)国債の発行である。乗数効果に期待しているらしいが、か小30年間ほど、見るべき乗数効果のない国債発行が続いていることに照らして、賛成できる要素は乏しい。 -
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ナベツネによる政策提言。
前半は橋下についてのポピュリズム政治の批判かと思ったら、後半は政界の裏話や独自の経済政策が含まれていた。
「無税国債」はリアリティはないけど思考実験としては面白かった。 -
賢人独裁
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いくつになっても非常に頭のいい人だなぁ、という印象。当然新聞の人だからTVが敵だというバイアスはあるにせよ、アメリカの現場にいた人として、TVが作る政治風景についての考察については一見の価値があると思う。
讀賣新聞のドンが何を考えているのか、くらいの興味で読んでみても損はないし、読書としても結構満足できると思うん。