- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104923
感想・レビュー・書評
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今日の暴力団は、昨日の暴力団とは違います。(中略)ひと言で言えば、暴力団の一部は兇暴で秘密主義のマフィアに近付いています。(P.4)
暴排除例は直接対象とするのは暴力団や組員ではなく、「都及び都民」、つまりその地域の住民で、「都及び都民の責務」とあるかには、暴力団は「住民の責務」として住民が排除しなければならない(P.58)
つまり、これまでの対決構図だった「警察対暴力団」を「住民対暴力団」に切り替えることで、暴力団を社会的に孤立させ、利益(資金)やサービスの供与、供給を立つ狙いを持っているといえる。
結局、日本警察の暴力団政策が破綻しつつあるのではないかと著者は説く。時代も変り、暴力団も変りつつあることを警察は理解していない。警察にとって暴力団は持ちつ持たれつの必要悪だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どうしたらいいものか、解決策が見えない
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レビュー省略
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前作に引き続き読み進んだが、やっぱり物足りない印象。
ただ一つ、現行法下では、暴力団はもう組織としては存続できないのではないか、という指摘だけは覚えておきたい。
イタリアのように、誰がマフィアのメンバーか分からない、という状況に日本もなっていくのかな。 -
前作との違いは、暴力団の置かれている状況が中心に描かれていること。暴排条例が市民を守らないものであり、同時にヤクザにダメージを与えている。警察側の都合や、芸能界の事情など。
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前著の「暴力団」の続きで、暴対法と暴排条例が暴力団に与えた大きな影響を詳しく説明している。これらの法律と条例の解説、一般人への影響、警察の対応や振る舞い、暴力団の今後についての考察などを記しているが、「前にも述べたように」と繰り返しながら説明を進めるので分かりやすく理解しやすい。
暴力団はこの法律と条例で困窮してきていて、社会との関係も変わってきているが、このまま暴力団がなくなることはないだろうと筆者はみている。それは、昔から持ちつ持たれつの関係がある警察が困るからだと喝破する。
このように現在の暴力団をとりまく状況を整理したうえで、筆者は暴力団は他国のように法律で非合法化すべきと主張する。非合法化で予想される問題も挙げての主張であり、説得力のある筋の通った議論が展開されている。 -
「本物のジャーナリスト」という印象。
文体はとても柔らかいものの、めちゃくちゃ強い芯のようなものを感じる。著者の写真もいかついしね。
暴力団を押さえつけることでアングラ化する危険性、現在の恣意的な法の運用で、暴力団周辺の人間の人権が著しく抑圧されていることに触れながら、それでも暴力団を排除しなければいけないという決意を述べるとともに、警察が暴力団に依存している構図をするどく抉っている。
「続・続」があればぜひ読みたいと思わせてくれる。 -
独自のソースから語られる内容は興味深い部分はあるものの、文章が稚拙に感じる。
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暴力団はどんどん非合法化し、アングラ化してゆく。
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暴排条例と、それを受けて暴力団(員)がどうなっているかについての記述がメインか。
個人的には前作「暴力団」のが面白かった。