イスラム化するヨーロッパ (新潮新書)

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著者 : 三井美奈
  • 新潮社 (2015年12月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106491

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イスラム化するヨーロッパ (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 宗教だからといって何でも許されるわけではない。自分たちの価値観を主張する前に居住国の人々の価値観を尊重せねばならない。無論, 移民にしてもすべてが望むべくして移住したわけではない。すでに明らかになりつつあるように, 混乱を引き起こす元凶がある。移民にとっては故郷を焼かれた憎しみ, 原住民にとっては元ある秩序を無用に乱された憎しみ, それらを相互作用的に増幅し相反させるのではなく, 元凶に集中しなければならない。だがその転換としての触媒能を有するに至る指導者は消去されてもおかしくはない。慣性は保存され, 自己破壊欲求をこの上なく満たすまで, 正の帰還は止まることなく増幅していく。それがヒトという動物の性質である。

    平等, 友愛, 被害者意識, 劣等感, 肥大自我, 正当化, 言論統制, 蓄積, 転嫁, 燔祭 →

  • 2015年までにヨーロッパ(主にフランス)で起こったテロの背景をまとめてある。

    印象に残ったのは
    アイデンティティーの拠り所としてイスラム過激思想に傾倒していく若者たち、
    植民化など含め難民・移民を労働者として自国に受け入れたのち、ヨーロッパ人種ではない移民は出ていけばいいと考えるヨーロッパ人、
    フランスの掲げる自由にイスラムの習慣を選択する自由は含まれない、
    今のヨーロッパは敬虔な宗教者は少ない。


    どうしたら差別や暴力など負の応酬がなくなるんだろうと考えさせられる。

  • ヨーロッパが予想以上にイスラム化してるのが良く分かった。またヨーロッパの人々がイスラム教の難民・移民たちを恐れてるのもある程度納得できる。

  • 最近のテロ事情がよくわかる一冊

  • 一連のテロリズムの背景にあるヨーロッパとイスラム文化の根強い確執がうまくまとまっており、勉強になった。
    本書のいうヨーロッパは、ほぼフランスのことを述べており、元大統領のシラク、サルコジは、政教分離を盾にベール禁止を法律化し、さらに国民の約8割はそのような政策を支持しているというから驚いた。
    フランス国家は自由と平等を謳っているイメージが強いが、あくまで「我々に同化する場合にのみ自由と平等を付与する」という姿勢が、ホームグロウンテロリストを育んでしまっているように思う。
    憎悪は物事の見方を変える力を持つ。お騒がせB級新聞(シャルリー・エブド)は自由の闘士に、異端扱いされた極右政党「国民戦線」は、反移民を訴えるポピュリスト政権へと変化した。
    テロリズムは決して許されることのない卑劣な行為だが、批判するからにはそれが生まれた背景も知る義務があると思う。これを読んでから、イスラム論争に関する報道をこれまでとは違った視点から見ることができるようになった。

  • 1過激派志願の若者たち
    2ホームグロウン・テロリスト
    3共存の葛藤
    4立ちはだかる壁
    5シャルリー・エブド事件の衝撃
    6イスラムと欧州政治

  • 欧州における、移民の問題のルポタージュ。現状がうまくまとめられており、わかりやすい。

  • 請求記号:302.3/Mit
    資料ID:50081396
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • フランスという国は、自分たちが挑まれていると思うと強力に反発する傾向があるように思える。この風潮がヨーロッパ全土に広がっているのではないのだろうか・・

  • フランスを中心に記述

  • 第二次世界大戦後の経済復興を支えたイスラム系移民たちの二世が、ホームグロウンテロリスト(Home-Grown Terrorist)として彼らの祖国の脅威となっている。経済成長が陰りを見せ、ヨーロッパの各国では移民たちを祖国に戻そうと思いこれ以上の移民流入を防ごうと思ったがそれは叶わず、その後増え続け今では各国の10~15%がイスラム系移民が占める現状。
    戦後に来た移民たちの子供が出生国で市民権を得て現在二世三世としてヨーロッパで生活をし、約2000万人のイスラム系移民が存在している。

    フランスは政教分離政策を取っているため、公共の場での宗教色を排除すべく国民の1割を占めるイスラム教女子の公共の場でのスカーフの着用の禁止を始めた。ブルカ禁止法まででき、ベールを被るというのは女性蔑視の象徴であり、女性の自由と尊厳を重視するフランスの考えでは、ブルカは歓迎されないというもの。フランスだけでなくその他のEU諸国でも禁止法が広まっていく。ベール禁止法の背景にはイスラム教徒の信仰表明に対する違和感と嫌悪感があるのではとまとめられている。

    国としては国勢調査で宗教を問うことなどは決してしないフランスだが、国民間での格差や差別は蔓延っており、それがシャルリー・エブド風刺の事件に繋がる。首謀者はホーム・グロウン・テロリストであった。

    そして今回の2015年11月のパリのテロ。

    イスラム嫌いのフランスや北欧の共通点は国の価値観に対する強烈な自意識があることと欧州福祉国家の代表格であること。自国民への自由と平和を強く願うこれらの国々がイスラム嫌いを強めていっている。イスラム教に対しては宗教の違いというレベルではなく、一つの異なるイデオロギーの存在という認識が広がっている。

    まだまだ弱いイスラム教徒の政治参加。この政治参加の低さは非イスラムにとっても好ましいものではない。それぞれがコミュニティを築き過激派の温床を増長するにすぎないからだ。

    日本は所得が高いのに難民を受け入れない国として名前がアムネスティインターナショナルに挙げられた。これから低下し続けるであろう日本の人口を考えると「移民」という概念を対岸の火事と考えるのは宜しくない。

    他の宗教との共存は、常に相手への「敬意」を払うことから始めるべきである。

    出だしから知る事実にぞっとする。でもただ恐れるだけでは問題解決はできない。正しい理解・認識から始め、どのような形で平和に異なるイデオロギー・価値観を持つ他者と共存していくことができるのか身の周りの人間関係で考え実践していくことが私達にできることであるなぁと思う。

  • 危機に便乗した経済難民も深刻な問題。
    バルカンやアルバニア、コソボはもはや紛争国ではない。これらの国々の出身者は本来、どの国でも難民認定を受けられるはずがないが、シリアやアフガニスタンの人の群れに乗る形で、大量に押収に入っていった。

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イスラム化するヨーロッパ (新潮新書)の作品紹介

多発するテロ、押し寄せる難民――終わりなき非常事態! 西欧育ちの若者が、なぜイスラム過激派に共鳴するのか。欧州の「自由」と「寛容」は、いかに失われつつあるのか。欧州を覆う苦悩から、世界の明日を読み解く!

イスラム化するヨーロッパ (新潮新書)はこんな本です

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