日本はすでに侵略されている (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108396

作品紹介・あらすじ

国土所有の不明化、社会制度タダ乗り……。北海道から南西諸島まで急速に進む国土買収。裏にいるのは今や覇権主義を隠さない中国だ。溶解するガバナンス、目先のインバウンドに浮かれるこの国の未来とは?

感想・レビュー・書評

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  •  北方領土や沖縄米軍基地、尖閣諸島など、メディアに映るものだけが問題ではない。合法的列島支配は、静かに進行している。
     子を持つ親、特に子育て世代の人たちが危惧すべき差し迫る日本の近未来像。

  • ふむ

  • 『#日本はすでに侵略されている』

    ほぼ日書評 Day593

    2019年11月刊。最近でこそ、大陸側の国が、我が国の防衛拠点のすぐ脇といった土地を大量に取得している…ということが、常識になりつつあるが、3年前から、警鐘を鳴らしてくれていた一冊。

    長い歴史を持つ日本という国が、遠からず全く異なるものになってしまう、あるいは「日本という国」自体が消滅してしまうのでは、ということを嘆きつつも、冷静に、驚くべき事実が述べられて行く。

    「対馬で韓国人が買収した民宿は、2008年には15軒ほどでしたが、今は200軒を超えています(…)対馬市の人口が3万人を割り込む一方、韓国からの観光客は2018年には40万人にまで増えました。
    2013年、対馬防衛隊本部のもう片側の隣接地も買われてしまい(…)防衛隊本部を取り囲む三方向の海岸線が、すべて韓国資本に独占されているのです」

    本書執筆さなかくらいまでは、こうした動きがメインだった。が、2019年頃に始まる日韓間の小競り合いの結果、両国の関係がギクシャクし始める。
    結果、ある程度「純粋に」観光・リゾート目的で日本の土地を取得しようとしていた韓国にかわり、主役に躍り出たのが、かの大陸の国である。

    Day582で、同国は最終的にロシアを属国化することを狙っているという考えを示したが、まさに太平洋進出の橋頭堡であり、米国にたいする防波堤でもある列島を、わが手中に収めたいという意図は、明らかだ。

    著書によれば、かような海外勢は、最終的には「不輸不入の権」を獲得した平安時代の荘園地主のような存在となるという。
    既に、そうした土地の多くは、所有者不明につき、固定資産税すら支払われていない。
    同時に、2011年3月、新潟市体育館で中国総領事館による集会が行われた際に、地方議員が(市の施設ゆえ)立入調査権を行使して館内に入ろうとしたところ、拒否されるという事件も起きている。

    まんざら単なるホラーストーリーでもないのではなかろうか。

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  • 北海道から南西諸島まで、「静かなる侵略」が着々と進んでいる。私たちが知らぬ間に進む、外資による国土買収の実態を明らかにし、このままでは日本が消えかねないと警告した書籍。

    現在、日本各地で外国人が土地を買っている。自衛隊基地や米軍基地のそばなど、安全保障上、重要な国土も買収されているが、対策を講じようとする議員や官僚はいない。

    欧米諸国は、外資による国土買収などへの対応を変えつつある。だが日本だけは、FTZ(自由貿易試験区)、IR実施法(カジノ法)、移民法など、分野を問わず規制緩和が進む。

    尖閣や竹島問題について、日本政府は抗議を続けている。しかし、他国による侵入と不法占拠は常態化したままである。政府の無策と現状追認が続き、調査も対応もなされていない。

    外資による土地買収で問題なのは、市場ベースでは考えにくい、次の2つのケース。
    ①リゾート基地型
    既存のリゾート地で、規模の大きな土地・建物を取得する。将来的にはリゾート関係者の大半が外国人になる。そしてその地域の首長や議員などになり、ガバナンスを掌握する。
    ②開拓村型
    投資対象になりにくい奥地の廃業ゴルフ場や広大な農地を買う。隣接河川を水源地とし、太陽光発電や水力発電でエネルギーを自前で確保できるので、大量移民の受け入れ場所にもなり得る。いわば、1つの自己完結型の居住区。

    樺太は、1855年の日露和親条約によって日露雑居地として帰属が曖昧になった。その後、ロシアから大量の移民が送り込まれ、やがて実効支配される。国民が住まなくなり、放置された土地がどうなるか、この歴史が証明している。

  • 外国化の進む日本の現在過去から未来を考えさせられる。法改正で買いやすくなり国際的な土地の価格はまだ安い。これ程インフラ整備がされているのに……

  • 東2法経図・6F開架:334.6A/H66n//K

  • ・toppointで読む
    ・樺太は1855の日露和親条約で雑居地として帰属が曖昧に。その後、ロシアから大量の移民が送り込まれ、実効支配された。国民が住まなくなり、放置された土地がどうなるか、歴史が証明している

  • ●中国からの移民や経済進出によって、自国の政治・教育・安全保障などが知らぬ間に侵されていく哀しい現実。そこでオーストラリアは外資による農地取得のハードルを上げ、インフラを守る法律を作った。日本は時すでに遅し。
    ●種子島 JAXAがあり多額のインフラ整備がされた地に中国資本による土地買収が目立つ。隣の馬毛島は防衛上の重要な島。
    ●登記簿には連絡不通のペーパーカンパニー。固定資産税を逃れる姑息な方法。
    ●西側諸国は中国に対する対応を変えてきているのに、日本は逆張りを続けている。IRや水道、移民など規制緩和のオンパレード。親中派の党幹部が中国規制に対してブレーキをかけている。
    ●宮古島市の伊良部島、坪100万⁈相場の500倍もの値段。
    ●奄美大島の下、加計呂麻島。バルチック艦隊や大和武蔵も停泊した重要な基地だった島。
    ●対馬で韓国人が買収した民宿は2008年15軒から今は200軒に。人口3万に対して韓国からの旅行者が40万人。基地の隣地さえ買われている異様さ。ただ日韓関係の悪化に伴い観光客が95%減った。やがて転売される不動産を購入する国は中国になるだろう。
    ●首都圏の防衛拠点の隣地が買われ、そこを見下ろす監視カメラが置かれていく。
    ●クルーズ客船からの失踪者が106人2018年。2015年からの簡易な入国審査が原因。ビザなし、顔写真撮影無しで7日間滞在可能⁈また、数日経ってから出頭する人も。強制送還狙いで帰りの渡航費をただにする目的。
    ●FIT導入後、私たちは、毎月1割以上上乗せして払っていて、年間1万円を超えている。

  • 日本の将来を危ぶむ1冊
    正直者がバカを見るだけならまだしも…
    この手の本を読むと、資本主義社会の限界も感じてしまう

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。姫路大学特任教授、国土資源総研所長。九州大学卒業後、農水省入省。農水省中部森林管理局長、東京財団上席研究員、青森大学教授を経て現職。博士(農学)。専門は辺境社会学。著書に『領土消失』(角川新書、共著)、『日本はすでに侵略されている』(新潮新書)、『日本、買います』(新潮社)ほか。

「2023年 『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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