- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106435560
作品紹介・あらすじ
原子の世界は人間の世界とどう結びついているのか-。世界的物理学者、湯川秀樹に発する問、問、問…。さらに生涯の先達、正宗白鳥との「大作家論」。
感想・レビュー・書評
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未読
『WHOをゆく/尾身茂』、p154に引用あり詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ビッグネーム同士の歯に絹着せぬ対談だからかなりおもしろく読める。「人間の建設」で岡潔と対談した時の小林の遠慮のようなものは微塵もない。坂口安吾や正宗白鳥との対談では太宰治、志賀直哉、芥川龍之介のことをいろいろ言うわけです。そんなところいじるのか、とか、そんなこと考えてたのかと。そして小林秀雄が鋭いツッコミを入れる。自然な会話そのままで、編集してないんじゃないかと思うくらい。
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了。 湯川博士との、対談、興味深い。
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2009/
2009/
人間の進歩について 湯川秀樹対談. 骨董. チェホフ. 「罪と罰」について2. 現代文学の診断. 大作家論 正宗白鳥対談. 小林秀雄の問題 佐古純一郎著. -
『人間の進歩について』は、湯川秀樹との対談。共通認識としての前提がない議論が多々あり、やや噛み合わない印象なのが残念。
その点に関していえば、正宗白鳥との対談である『大作家論』は、両者間にコンセンサスとでもいうべきものがあり、面白い。
『チェホフ』は他の評論に比べて、文体の発想が非凡。『骨董』は「美は危険な友である」という話。短いながらもまとまっている。
そして何より『「罪と罰」について』が良い。小林秀雄が、ドストエフスキーというコスミックな作家に衝突し、逃れえなくなり、
生涯をかけて彼への洞察を深化させてくれたのは、後世に生きる吾人にとってなんと幸せなことか。だが、これ以上は立ち入るまい。「解説の解説は愚なり」である。