東京飄然

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120036767

感想・レビュー・書評

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  • "私は飄然とドアーを開け、飄然と鍵を締め、飄然と歩きだした。旅が始まった。"

  • ふむ

  • こういうやさぐれ系の文体がずっと好きで、それに類似する作家さん数多読んできたけど、久しぶりに読んだら、自分が成熟した分、他の作家さん、なんか無理してやさぐれてるのが透けて見えるって言うか、何か読んでて恥ずかしくなるっていうか。興醒めしてあらかた処分してしまった。
    どっこい、町田康氏の文体って、もう圧倒的で。一見やさぐれ、汚れに見えるのに、美しくて、色褪せない魅力。このリズム。言葉の選択が、秀逸すぎる。
    Kindle版でも出して欲しいの。
    何故って、Kindleの読み上げ機能使って、無機質な機械音声で、この美文飄々と読み上げる様、聴けば、ミスマッチで大爆笑間違いなしと思うから。
    仕方なく今、ギケイキを代わりに読み上げさせてるけど、この東京飄然、Kindle版熱望します。

  • なんとも奇妙な、展開だ。飄然と街に出て歩く。ただ歩くが、歩きながら発すら言葉にひきつけられるその歩きも、繋がっているようなないような。カラー写真も載っているが、その写真も、その物語の展開に繋がっているのかいないのか。
    自宅から地下鉄で早稲田へ、早稲田から荒川線で、飛鳥山と王子稲荷へ。そのあと、鎌倉から江ノ島へ。と思うと、仕事で大阪へ。大阪で、若かりしころよく食べたむかしながらの串カツを食べたいと思い、梅田へ行くが、なつかしの串カツは食べられない。東京へ帰って、新橋なら食べられるだろうと、行ってみる。まさに飄然。

  • すごいしょうもないことばっか言ってんなー。ふと、気づくと、至極真っ当なこと言ってんなー。次の瞬間には、やっぱしょうもねー。そんな繰り返し。しかし、俗に塗れ、俗に囚われないようにこういったものを書くとしたら、そうなるんだろうなー、と納得したり、これ読んでる時間しょうもなかったなー、と思ったり。

  • 徹頭徹尾、ダメ人間に対する飽くなき観察追求が行われる。ダメ人間の紙上再現が透徹し切った先、メーター振り切れた先に垣間見えるのが、宿業を思わせるような有無を言わせぬもの。
    それらを町田流の中毒質な文で眼前に突きつけられるのが本書。くだらないを突き抜けると、しぶしぶ不同意ながらも感動があることを否定できない、憎らしい本。

  • ついついニヤニヤしてしまう。ナイスマチダ

  • 風に誘われ花に誘われ、ぶらりと歩いてみたくなった。
    婦人公論好評連載エッセイ、待望の単行本化。

    町田さんのエッセイ。
    思わずくすりとしてしまうところも。

  • 「風に誘われ花に誘われ、一壺を携えて飄然と歩いてみたくなったのだ」
    そんなことを言って情報の洪水たる東京シティーに踏み出した町田氏の
    不毛なる紀行小説である
    情報に翻弄されてよけいなことばかり考えたあげく
    その果てに見いだされるものは「とりあえずメシ」
    飄然どころか、あまりにもあさましい人間本質なのであった

  • 内容はない。町田康が出かけたことを脚色して書いてあるだけ。しかし異様に面白い。書き方が面白い。森見登美彦が好きな人にはオススメ。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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