駿女

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著者 : 佐々木譲
  • 中央公論新社 (2005年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120036828

駿女の感想・レビュー・書評

  • 昨年、タッキーこと滝沢秀明主演の大河ドラマ「義経」を見ていたおかげで、大分状況が理解できたのでした。公家政権から武家政権へと移る時代はそれぞれに同姓の者達が個々に結びついていたりして、単純に源平とも分けられず、なかなか理解し難い時代でした。
    個人的には全然「判官贔屓」ではない為に、余計よくわからない時代でしたが、タッキーのおかげで多少源平の合戦と、後白河法皇と公家の背景が整理されました。

    この「駿女」は奥州藤原氏直轄で馬牧の相馬一族の由衣という娘が主人公である。
    馬を育て、調教し、関東までも名が響く三戸の馬を育てる馬牧の一族だ。
    由衣もまた馬を扱う事に長け、裸馬を乗りこなし手束弓を操る。弟の弥彦、従兄弟の八郎丸とともに蝦夷とヤマトの混住地域である糠部で育った。
    八郎丸の父である伯父と、八郎丸と共に、平泉に馬を納めに行くことになった由衣は、初めて見る平泉を楽しみにしていた。従兄弟の八郎丸は十五。平泉で誰か烏帽子親を頼み元服の式を済ませる予定だ。
    平泉に着いた翌日馬を納める支度をしていると、人が駆けてくる。
    「衣川で変事じゃ」という声に伯父はさっさと馬を売り平泉を後にした。
    藤原泰衡が源義経を襲ったのだ。
    伯父は慎重に道を選び、糠部へ戻るが、すでに相馬一族はほとんどが殺されていた。
    由衣の弟弥彦は武士に連れて行かれた、と薪小屋に隠れていた下女が言う。
    伯父は弥彦は八郎丸と間違えて連れて行ったのだという。八郎丸は、源義経の遺児だというのだ。
    由衣は一人で弥彦を助けにいくが、途中で義経の家来だという長南忠春、常陸坊海尊の助けを借り、無事に弥彦を助け出す。
    それから、奥州は混乱が続く。
    藤原泰衡は、かつての秀衡のように奥州をまとめる力もなく、鎌倉殿こと源頼朝は容赦なく奥州に兵を進めてくる。各地の豪族達も、泰衡の下知を良しとはしないが、奥州を守るにはやむなしと、立ち上がる。
    そこへ、義経の遺児八郎丸とは格好の旗印である。
    秋田の大河兼任のもとで八郎丸は元服し、源八郎義兼と名乗る。

    戦記ものは、やはり勝たなければ面白くない。結果は分かっていても、どうしても覇気がないように感じられ、悲壮感が拭えない。
    常勝はありえない、でも、負けながらも総体的に、なんとなく明るいのなら楽しく読めるのだけれど、裏切られているとか騙されているとかが見えていて、変に空回りしている陣中は痛い。淡々と自分の運命を受け入れている八郎丸。それは、潔いともいえるのだろうか。
    彼が、十五まで己の素性を知らずに育ったにしては、周囲の大人に流されず、自分の意思を持っていたのは救われる。
    それでも、歴史は変わることはない。

    そう思って、ちょっと暗い気持ちで読み進めていた。
    ところが、最後の十ページで、ちょっと意外な展開になるのだ。負け戦にメゲずに、最後まで読むと、ちょっとニヤッとできる。
    戦場で首を取るばかりが戦ではない、人は自分なりの戦い方というのがあるものだと、少しホッとした。
    まさしく駿女、由衣である。

  • 2015年1月15日
    源義経が嫡男、源八郎義兼(八郎丸)といとこの駿女と言われる由衣が源頼朝を討とうとする小説。堂々とした武士を感じられる。
    「・・・にそのような口のきき方をされる謂われはないわ。」「20日も持たなかったとは呆れ果てて言葉もない。否、大軍を相手に数十日戦い続けたことは、不覚と言うべきことか」
    江戸時代とは違った剛毅な武士の姿がある。
    この時代の本、面白いかも知れぬ。
    あれから由衣はどうなった•••。

  • 奥州平泉が滅ぼされた後の、主に秋田を舞台としている。
    登場する女性と馬は、最後には伝説の担い手となる。

  • これは面白かった!
    内容は源義経のくだりの話です
    義経の従姉妹だったかな?
    その子が義経・頼朝の陰謀に巻き込まれ…ってストーリー
    かなり分厚くて読みごたえあるある

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駿女の作品紹介

奥州糠部の地でのびのびと育った馬の巧みな十六歳の少女相馬由衣は、従弟の八郎丸が元服するのに付き添い、平泉に赴く。しかし平泉は衣川館で義経が誅殺されたという報に震撼していた。由衣らが人目を避けて飛び帰った村も、義経を襲った藤原泰衡勢に焼き討ちにあい、身内は無惨にも息絶えていた。この混乱の中で由衣は伯父から八郎丸が義経の落胤である事実を聞かされるが、頼朝の奥州征討軍に平泉は炎上、頼朝の軍勢に抵抗した由衣は運命の大渦に翻弄されていく。

駿女はこんな本です

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