夜の公園

著者 :
  • 中央公論新社
3.16
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本棚登録 : 767
感想 : 175
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037207

作品紹介・あらすじ

寄り添っているのに届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る川上弘美の新たな世界。

感想・レビュー・書評

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  • 「いやあな感じ」(川上弘美の言葉を借りると)ってこんな感じか。というのを、まさに体感できた小説。
    ほんとうに、ずっと、いやあな感じが漂う小説。

    でもでも。
    いやあな感じが嫌というわけではない。
    夢中になって読んでしまった。

    リリと、春名の関係が、まるで私の友達と私みたいで。。。
    不倫や年下との恋よりも、女二人の、絶妙な関係がたまらない。

  • 隣に、男が寝ていて、
    自分はもう早々と目が覚めてしまって。

    その日は休日で、
    ただし空模様はそれほど芳しくなく、
    どんよりとした空だけれど、
    その光さえ、部屋に入れることがはばかられて。

    しかたなく、台所の明かりで、
    立てひざを突いて読んでいた自分を思い出して、

    その全てが、この本の感じなんだと、
    今、思う。

  • 結局、自分の気持ちなんて、わからないものなのかもしれません。でも、まぁ、幸夫が悪いんだとおもうんですけどね!

  • 20代から30代の5人の男女の恋愛いろいろ。
    メインは不倫なのだけど、さらっと書かれていて、ドロドロさはあまり感じません。
    内容的には、相当ドロドロなのですが。

    共感は出来なかったけれど、違和感は感じずに読了。

    各章が、それぞれの立場で書かれていて、順に語り手が変わるため、それぞれの気持ちがつかみ易かったです。

    面白かったけれど、前回読んだ『センセイの鞄』や『神様』といい、今回といい、もしかしたら、あまり私には合わないかも、とは思っています。

  • 不倫だったり、離婚だったり、すんなりといかない複雑な女の友情だったり、ドロドロとした恋愛なのですが、川上さんの文章は粘着質なところはなくサラリと読ませます。
    リリと春名は親友同士・・・のはず。春名はリリの旦那と不倫している。それでいて、ほかにも複数の男と関係がある。そのうちの一人の弟がリリの浮気相手。もうどっちにも共感できるようで共感できない感じです。

    各章で登場人物の視点が切り替わり、最後の章は代わる代わる切り替わり流れるように読めます。恋愛におぼれてしまう人間の脆さ。自分を捉えきれない不確かさ。それぞれの視点での感じ方。そんな描写が面白かったのに、もつれ始め、盛り上がるべきところがやけにあっさりと省略されてしまっている印象。そこが残念だったかな。

  • 夫婦+夫愛人+妻愛人の話。
    川上弘美さん好きなのに、この本はがっかりだった。
    全く似たような話、江国香織さんの小説にもあった。
    恋愛小説の主点(題材)を夫婦に持ってくると
    両方に愛人を絡めるしかないのだろうか・・・。

    そしてみんなかっこつけすぎ。そんな風にかっこつけて
    生きていたら何にも見えないのにって腹立たしかった。
    一人で強く生きれる事は大事だけど、
    そういう生き方がかっこいい訳ではない。
    せっかく人間同士絡まりあって生きているんだから
    本当に大切な物は意地をはらずに、かっこつけず
    に手に入れなくちゃ、手放さないようにしなくちゃ。
    星2つにしたいけど、文章は綺麗なのでなんとか3つ。

  • 淡々とした文章で進んでいく。なんだか誰も幸せにならなかった。

  • 誰の想いも届かなかったね。

    でもさ

    これだけ混み合ってる人間関係の中で
    誰かの想いだけが叶ってしまったら
    なんだか嫌だ。

    みいんな片想いで終わって良しだ!

  • 読み終えて、平静な心持ちとなったが、モヤっとした強い気持ちも同時にいく筋か流れる。複雑なものを味わう。

  • 弱さや執着、傲慢さ、切なさなどは全て、1人の人間の中に持ち合わされているはずの感情だ。しかしこの作品では、それらの感情を5人の登場人物それぞれに選り分けてしまっているように感じた。それで登場人物の誰一人、本当のことを十全には言ってないように見えるのかもしれない。とりわけリリという人間を飄々としたしなやかな女性として描くために、他の4人にみっともない感情がより分けられた、という感じがする。書き手にとって、何かを守るために必要な作業だったのだろうと思う。けど、読んでいて心の拠り所がなく不安になる物語だった。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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