これでよろしくて?

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040573

感想・レビュー・書評

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  • 健康な平凡な女性のおはなし。

  • でも、話すほどのことじゃない、ことの方が、説明しやすい悲劇、よりも、むしろ後になってじわじわと効いてきちゃうのよね

  • 川上弘美さんの著書は「風花」に続き二作目。
    風花は正直つまらなかったのだが、今作はサクサクと読み進められた。コミカル系で軽快だったからだろうか。
    今作は前から気になっていた事と、今度こそはとの期待を込めて借りてみた。

    菜月に深く感情移入した訳ではないが、共感するところは度々あった。
    夫・光の母が突然に菜月の家にやって来たかと思えば、「菜月さんには悪遠慮しない。」と言ってのけていきなり同居開始となる。
    よく長い間、菜月は我慢できたものだ。波風を立てたくない気持ちはまぁ解るものの、菜月は我慢しすぎなのでは?私だったらブーブー夫に文句を言ってそうだし、同居が開始された早い段階で、1日も早く義母を追い出す為に奮起しそうだ。義母を追い出せないとなれば、自分自身が出ていきそう。
    ある日、義母は急に家中の掃除をし出して、蟹鍋を作っては仕切って、息子の光にはせっせと蟹の身を取り分けてあげて…とても腹が立った。ついに本性を現したか?と思った。挙げ句、光の「菜月も少しは料理とか教わるといいよな、この機会に。」という無神経な発言。その一言で全ての努力が水の泡になってしまったという菜月の気持ちに共感した。光は菜月にとっていい旦那さんの様だったが、私にはいざという時に妻の味方をしない、義母の肩を持つような発言をする夫、またはあやふやな態度をとるのもいい夫とは思えないし、料理を教わればいいという言いぐさも何というか、妻を見下げてるような感じで好きではない。
    結婚して新しい家庭を築き、なにもかもが「そこ」からスタートする訳で、なぜ夫の母親の味付けをわざわざ真似しなくてはならないのか。光の場合はそこまで言った訳ではないけど、マザコンさがよく表れていると感じた。母にほぐされた蟹の身も何の抵抗もなく食べてしまう辺りにもそれはよく表れている。だから妻は嫌になり、疎外感も味わうわけだ。光と「家族の感じがしない。」と言った菜月の気持ちもよく解る。義母も夫も、いつまでもどこまでも、どこか他人なのだ。その距離はなかなか縮まらない。菜月と光には子供がいないから、というのも家族になりにくい一因ではあるかと私も思ったが、例え子供ができても夫とはいつまでも他人なのかも知れない。
    こうやって突き詰めていくと、私だったら結婚生活を続けていくのは無理だが、菜月は前向きに物事を捉え、不妊治療と仕事を開始しているところは偉いなあと思った。

  • 中だるみがあって退屈した。
    婦人公論に連載されていたそうです。
    女として共感できる部分もありましたが、内容軽め。
    一度読めばじゅうぶん。

    川上さんは短編の方が好きです。

  • 元彼の母親との出会ってできた関係で、おもしろい。
    元彼の話はほとんど出てこなくて、メインは今の結婚生活。

  • 川上弘美さんの選ぶ言葉とか使い方がすごくすき。
    昔の恋人の母、土井に誘われこれでよろしくて?同好会へ入る上原菜月38歳。
    様々な難題にぶつかりながらもまっすぐに戦う様がみていてよかった。
    みずほさんに恋愛相談にのってもらいたい。

  • 女性ばかりが集まって日々のことを話し合う会。
    そんな会が実際にあればいいなぁと思いました。
    そして、主人公が最後に気付いた
    「全てのことは変わっていく」ということ。
    いまの状況も気持ちも、よくも悪くも長くは続かない。
    だからこそ「いま」を生きようと改めて思いました。
    ゆるゆると力をぬいて読める一冊。

  • 結婚してまもなく三年、恋人時代以上にラブラブに見えるらしいうちの夫婦。
    でも当の本人の私は、ラブラブって、なんだかなあ、のまごまごした感覚。

    好きだから結婚したのではあるけど、
    もう恋愛したくないから結婚したところも、正直大きい。
    それって、そんなにわるいことなのかなあ、とまごまごする私。

    菜月と少し共感、
    でも恋愛以外はとことん強気な私は、共感できたのはそこだけ。

    家族ってなんだろう、とは私も結婚してはじめて考えた。
    うちは、菜月の言うところの夫婦なのかもしれない。
    自分自身、家族というとまず浮かぶのは実家の家族であって夫ではない。
    というか、夫という肩書きも、他人がわかりやすいだろうから使うだけで、私のボキャブラリーとしてはまだまだ確立していない。違和感たっぷり。

    そんなうちの夫婦の関係っていったいなんなんだろう、とふと考えさせられる本でした。

  • 私は主婦ではないので、嫁姑問題は想像や聞いた話でしか分からないけど、主人公・菜月の性格とちょっと似ているなと感じる点が多々あったので、なんとなくだけど「分かるなー」と思いながら読めました。全体的にほんわかしたムードなので、読み終わった後もほのぼのとした気持ち。こんな素敵な同好会なら、私も入りたいな。

  • 38歳子なし専業主婦の菜月が非生産的な同好会に入って考え方が少し変わる話。
    嫁姑話に「のんきすぎる!!」と腹が立ったけど私がおかしいんだろうか。
    この人の本の主人公はのんびりした人が多いけど、実際に会うと不思議ちゃんだろうなあ。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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