かたちだけの愛

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 518
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041761

感想・レビュー・書評

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  • 義足 女優 デザイナー 三笠

  • 978-4120041761
    かたちだけの愛

  •  男女の恋愛だけではなく、親子愛もこの小説の大きなテーマだ。僕は子供としての自分と親としての自分のことを思うことになった。子供としての自分が抱く親への感情を、親である僕は自分の息子との関係と見比べてその類似性に目を背けながら相違点を見付けようとしているような気がした。しかしそんなことは可能なんだろうか。
     平野啓一郎の小説を読むのは3作目だけれど、どの作品も大変楽しませてくれる。流れるような文章が示唆に富んでいる。

  • 平野さんの本にしては つまらなかったです。

  • 一言で表すならば「美しい」本である。
    これは恋愛小説であり、サクセスストーリーであり、芸術の指南書であり、義足の世界を紹介する本である。
    主人公二人の恋愛は、「大人の恋愛」というよりは初々しく、こちらまでときめいてしまう。「会いたい」と送るメールは切実でそれでいてどこかハラハラさせるものを含む。
    また、ところどころにでてくるプロダクトデザインやファッションも読み手の想像力をかきたてる。
    勿論、この話の核となるパリコレへの道というものも感動的であり、ドラマティックである。フィクションのサクセスストーリーはいかにもフィクションすぎてしまうものもある。現に、この作品も話が大きい。しかし、「成功」したということよりもそこに関わる人々の、久美を守るその姿勢が美しいのだ。そのため、自然に感動させられる。
    最後に、この本での一番の収穫はエイミー・マリンズという実在する女性を知ることができたことである。本著に現れる動画を私も見たが、その強さと美しさは10分あまりであったが、素晴らしかった。欠点というものは美しさにもなり、さらにはより美しくすることができる。
    手元に置いておきたい本の一つである。

  • 平野啓一郎らしい、でもらしくない、そんな物語でした。
    私は好きです。
    思わず一気に読んでしまったけれど、きちんと、一言一言をかみしめて読んでみたい気にさせる。
    読んで疲れる本です。でも、その疲れるというのが軽くなくていい。
    しばらく間をあけて、時間をみて、ゆっくり、きっちり、すべての筋を知ったうえで読み直したい、と思います。

  • twitterでフォローしている方がオススメしていたので読んでみましたが、大当たり。
    久しぶりに良質な恋愛物を読んだ。

    登場人物によって変わる愛のかたち。

    人を愛している自分を愛することが出来るか?

  • 愛の話。いろいろなかたちの愛について。

    「決壊」、「ドーン」、「かたちだけの愛」という流れで、とても素敵だと思う。

    良かった。

  • 1/12
    これはこれで好きだ。

    長編三部作と捉えるよりは、『顔のない裸体たち』『決壊』『ドーン』の「顔」三部作から、新章に突入したと考えることもできると思う。
    プロダクトに対する意識は、本書が発表される前になされたいくつかの他の仕事からも窺えたが、作品としては「やはり真面目だなあ」というのが良くも悪くも最初の読後感であった。
    それが作者の売りではあると思うけど、そして芥川賞をとって十年と少し経った作家に掛ける言葉ではないかもしれないけど、上手いからこそもう一つ化けてほしいと切に願う。

  • 難しい漢字がなく読みやすかったこともあって、楽しく読めた。続きが気になって一気に読めた。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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