- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120042195
作品紹介・あらすじ
旧制一高在学中、16歳で日本共産党に入党し、書記局長、委員長、議長を歴任。連続当選11回の衆議院議員として18人の歴代首相と白熱の論議を展開し、「自主独立」を掲げて旧ソ連や中国の共産党とも論争した。81歳を迎えた今、自らの歩んだ半生と目撃してきた時代を語る。
感想・レビュー・書評
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共産党の組織の成り立ちや考え方を理解するうえで参考になる点が多い。
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[自主へのこだわり]1964年に日本共産党の中央委員会で活動を始め、その後書記局長、委員長、議長を歴任した不破哲三(本名:上田建二郎)が、自身の半生と共産党の活動を振り返った作品。根っからの軍国少年だった戦前期や、自身の趣味としていた登山についても頁が割かれており、表からは見えづらかった不破氏自身についても知ることのできる一冊になっています。
通常の日本史ではどうしても周縁に位置する共産党という存在を主軸に据えることにより、新たに見えてくる視点、事実が数多くありとても新鮮でした。もちろん本人が自身の活動を振り返っていますので、ある程度差し引いて考える必要は出てくると思うのですが、日本共産党がソ連や中国の共産党とは一線を画していた存在であったことなど、自分にとっては意外と思えることも明らかにされており、非常に勉強になりました。
日本共産党にとって「自主」という概念が中核的要素を占めているということに気付けたのも有意義でした。不破氏が党の前線を退いてからはしばらく経過していますが、日本共産党の譲れない一線を知る上で重要なキーワードになるのではないでしょうか。また、対ロシア、対中国外交に対する提言は、なかなか「主流」からは出てきづらいものだと思いますので一読の価値は十分にあると思います。
〜私たちは、干渉に反対して自主独立の立場を守り抜いてきた党ですから、どんな場合にも内政不干渉の態度は貫きますが、内部的な話し合いでは、それが必要だと考えたときには、遠慮なく意見を言います。〜
それにしてもよく勉強されている方だと感嘆した☆5つ -
ようやく手に入ったので、読みかけの本を置いて一気に読んでしまいました。
著者の読売新聞の「時代の証言者」の連載をもとに、あらたに単行本として構成しなおしたものです。
戦後政治史や日本共産党の党史などを多少でも触れていた方なら、不破さんが歴史の様々な場面に遭遇したときに、何を感じ、どう行動してきたのかを楽しみながら読むことができると思います。
あまり、歴史に詳しくない人でも、一人の政治家の生き様として面白く読めるのではないでしょうか。
一昨年九月に起こった政権交代後の失望感、さらに3・11の未曾有の災害へのお粗末な対応と、揚げ足取りに終始する政治家たち…政治が市民からの信頼を損なうような事態が生まれている今、こういう政治家がいるのだということをぜひ見てほしいとも思いました。 -
日本共産党の党史への理解を深められる。
わかりやすい内容で書かれている。
スターリンの大国主義の新しい解明を期待したい。