小泉今日子書評集

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1236
感想 : 157
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047794

感想・レビュー・書評

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  • 詩集を読んでいるような錯覚に何度も陥いるほど、リズム感があり、短い文章の中に刺さる言葉が散りばめられていました。読んでみたくなった本も沢山ありました。また、既読の本も読み手によって様々な解釈があり面白いなと思いました。

  • ずっと読んでいたくなる書評。
    小泉今日子さんが今まで読んだ97冊の書評がロートーンながらも温かみのある文章で書かれている。
    目の前に彼女がいて語りかけてくれているようなそんな感じがしました。
    読んでいるうちに小泉今日子さんをなんだか身近に感じて、とても好きになりました。
    文章の空気感がなんとも心地良くて、大事に大事に少しずつ読みたくなる一冊です。
    終わるのが惜しかった。
    また書評を書いてほしいと心から願っています。

  • 「桜風堂ものがたり」(村山早紀)の読了後、どうしても読みたくなって手に取った。

    本を読むようになったのは売れっ子スーパーアイドルだった10代後半のころだという著者。
    「本を読んでいる人には声をかけにくいのではないか」からだという。それだけ人と接することに疲れていたのだと。

    だが、本との出会いが彼女の人生をより豊かで、新しいものにしていく。

    10年に及ぶ読売新聞日曜版の書評欄に掲載された書評の数々。

    彼女が読みたい、伝えたい本を通して、そのときの彼女、そしてそれぞれの書評につけられたこの本の出版時点での彼女のコメントが掲載。

    本を通して、書評を通して、コメントを通して、一対一で対話をしている気分になるとても贅沢な体験ができる。

    働き続ける女性として。

    結婚して離婚してひとりで生きている等身大のひとりの人として。

    悩みながら、その時々の気持ちをつづりながら、彼女自身が新しくなっていく10年間の過程。

    書評が明らかにうまくなっていく様がいい。
    ただ文章が上手になるだけでなく、年代が進むにつれ、何を考え、何を感じたかが手に取るように、心の奥のほうに響いてくるようになってくる。

    後半になればなるほど、むき出しの彼女が表現されていて、書評がどんどん面白くなってくる。


    「人と話をするのは大切なことだと思う。自分ひとりじゃ辿り着かない方向に行き着くことが出来るのが会話なのだと思う」

    「話す言葉とかも確実に変わっていると思います。あと、何かを人に説明することがうまくなっている気もするなあ。十年前より知った言葉もたくさんあるし、いろんな人に会って、いろんなお話も聞いている。とても勉強になりました」

    本が好きな人にも。
    本なんか読まないよという人にも。
    かつて彼女のファンだった人にも。
    あまちゃんのお母さん役から入ったという人にも。

  • 2005年〜2014年『読売新聞』書評欄、10年間に小泉今日子が読んで書いたおすすめの97冊。

    「本を読むのが好きになったのは、本を読んでいる人には声を掛けにくいのではないかと思ったからだった。」
    この最初の一文を読んで、書評を読んでみたいと思った。明るく、かわいいアイドル、そして歳を重ねても素敵な女性、”キョンキョン”の、私は知らない姿。

    小泉今日子[コイズミキョウコ]
    1966年神奈川県生まれ。歌手、女優として、舞台、映画、テレビで幅広く活躍する。エッセイのファンも多く、著書多数

  •  「読み返すとその時々の悩みや不安や関心を露呈してしまっているようで恥ずかしい。でも、生きることは恥ずかしいことなのだ。私は今日も元気に生きている。」
     はじめからこんな風に言われてしまったら、もうどうしたらいいというのだろう。ハートをがっつり捕まれるってこういうことなんだな。急速に小泉今日子さんのファンになってしまった。
     読売新聞書評欄で小泉さんが一〇年間に読んで書いたおすすめの本97冊、というのが帯に書かれている。一〇年間なんてすごい。でもって、その内容がもっとすごい。「その本を読みたくなるような書評を目指して十年間」と冒頭にあるのだが、読みたくなるどころか、もうこの書評集を読んだだけですべての本と自分が心から出会ったような思いがするのは気のせいなんかじゃない。その意味では書評の出来が良すぎるといえる。
     あまちゃんの春子ママがとても好きだったのだけれど、その役からにじみ出ていた小泉さんの人柄がやっぱり好きだったのだと納得。言葉のニュアンスひとつひとつがストレートなんだけどすごく優しい。自然体でさらっと言い切ることばが実にかっこいい。恥ずかしい自分というのをちゃんと知っていて、それを認めた上で素直に向き合っているからあの優しさとかっこよさが伝わってくるのだと思う。
     よし。これを機に書評に挑戦してみよう。生きることは恥ずかしいことなんだから、きっと何だってできる。そう、何だったできる。(はず!)

  • キョンキョンの言葉で、ストレートに気持ちが表現されてて、読んでみようかなと思わせる書評だった。何冊か、読むリストにいれた。
    キョンキョン、いい人。それが表れている。

  • 最近読む本がマンネリ化してきてたんだけど…
    いい本見つけました!

    タイトルも表紙もえらく堅いけど、キョンキョンが読書委員の1人として、読売新聞で10年間載せてた書評をまとめた本。

    うちは読売新聞だから新聞に掲載された時から読んでたんだけど、アイドルだったイメージはそんなに持ってない私でも、いかにも!って感じの読書委員のメンバーの中にキョンキョンがいるのはやっぱり異質に感じて、でもそれがすごくカッコよくも感じて、気になってチェックするようになりました。

    キョンキョンの文章はすごく静かなのに赤裸々な感じがする。
    キョンキョンの人生を覗き見してるみたい。
    今はブログとかTwitterとかで有名な方々を身近に感じられる時代だけど、そういうのより、ずーっと近い。

    今までもこれがきっかけで読んだ本もあって、
    でも実際読んだら書評から思い描いた物語より(私的には)あんまり面白くなかった本もあったくらいなんだけど、それはそれで。笑
    それだけキョンキョンの文章が魅力的に感じたってこと。

    10年分をずらーっとまとめてみると、キョンキョンの文章が変わっていくのもわかるし、
    何より、読んでみたい本がたくさん見つかった!

  • ずっと以前から、レビューとか書評とか、誰かが書く感想を読むのが好きでした。読売新聞の日曜日の書評欄も、楽しく読んでいます。
    キョンキョンの書評も、何度か読んだことがありましたが、今回一冊にまとまると聞いて、ホントに楽しみにしていました。
    彼女の言葉で語られる文章には、惹きつけられるものが多く、まだ手にしていない本も、是非読みたくなるという素敵な仕掛け付き。
    既読本はまだまだ少しだけ。
    この中から、次に読む本を探す楽しみが、またひとつ増えました。

  • 210603*読了

    お友達のゆうこさんに貸してもらった本。
    読売新聞の書評欄に10年間掲載されたものから選ばれた書評たち。ほとんどが小説です。

    キョンキョンってこんなに読書好きだったんだ!と、急に大女優が身近に感じられました。
    本をよく読む人であり、言葉を大切にされる方なのだということがよく伝わる言葉選びや文章がとても好もしかったです。

    2005年~2014年に掲載された書評なので、最新刊では全くないのだけれど、やはり厳選された小説なだけあり、何冊も気になる本があって、ブクログの読みたい本リストにどんどん追加してしまいました。
    自分が読んだことのある小説も複数あり、キョンキョンの感性だとこんなに素敵な文章で感想が書けるのか…とうっとり。

    女優ならではの経験や悩みもあれば、40代(当時)の女性としての思いもあって、等身大のキョンキョンが本を読んで感じたことが、たくさん詰まっていて素敵な書評集でした。

  • 小泉さんの素直な、でも時にはちょっと斜めな思いが伝わってきます。一度、飲みながらじっくり話をしてみたい、と感じる人ですね。

著者プロフィール

【小泉 今日子】
神奈川県生まれ。1982年『私の16才』で芸能界デビュー。以降、歌手・俳優として、舞台や映画・テレビなど幅広く活躍。2015年より代表を務める「株式会社明後日」では、プロデューサーとして舞台制作も手掛ける。文筆家としても定評があり、著書に『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチ・パブリッシング/第33回講談社エッセイ賞)、『小泉今日子書評集』(中央公論新社)など多数。

「2023年 『ホントのコイズミさん WANDERING』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小泉今日子の作品

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