もう別れてもいいですか (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 3308
感想 : 279
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120054884

感想・レビュー・書評

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  • ふー。パワーあふれるお話でした。

    昭和の夫婦はきっと大多数がこうなんじゃないかな、だからこそ夫から離れた生活を夢見るものの最終的には結局女性が我慢して終わるのかな、いや、澄子頑張って、負けないで!!
    と応援&心配しながら、でも文章のパワーが強くて、休みながら読みました。

    『これはドラマ化する!きっと澄子は天海祐希!』と妄想したり。

    いつか1人になっても、生きていけると思えたかな。お金は大事だけど、きっとなんとかなる!

  • 垣谷美雨のもう別れてもいいですかを読みました。主人公は58歳の主婦。
    夫は彼女を下女位にしか考えておらず、若い女が好きでキャバクラ通い。
    隣で息をされるのも嫌なくらい嫌いになってしまいました。
    女子会での噂話で高校の時の親友が、離婚したことを知り離婚を真剣に考えます。
    昭和に結婚した夫婦には我慢して生活している女性が確かに沢山居るのでしょうね。
    ドラマになりそうだと思いました

  • イチオ婚約中?の私、これ読んで良かったののかな?笑
    将来への希望よ。
    母もなんでこれを私に、すすめたのか。や、おもしろかったけども。
    まぁ夫婦なんて結局のところ他人同士なんだから、あんまり多くを期待しすぎてはいかんのだろうなぁ。「親しき仲にも礼儀あり」は夫婦にこそ適応されるかも。

    だいたいね、パートしている妻に稼ぎは自分が多いから自分のが偉い~みたいなこと言う夫ね。ホントにいるのかどーかは知りませんけども、妻にパートも家事(お手伝いさんを雇えばいいのだ!)もさせなくていいくらい稼いでから偉そうな口をたたけと思うよね。
    所詮十人並みのくせに、えっらそーに、と。

    途中までは夫婦の感じに本当にやきもきストレス溜まるんだけど、ラストはやっぱり垣谷先生!という感じ。スッキリ。
    何かを始める、新しいことに踏み出す、そーゆーのって何歳になってからでもいいんだよなぁ
    って改めて思えた。

  • 冒頭、友人の旦那さんが亡くなって「羨ましい!」と思うのはさすがにナイかなと感じましたがアラ還夫婦のアルアル話。
    ただこの夫はひどすぎ。
    たぶん地域的なこともあるんだろうけど。
    垣谷美雨さんの著書は共感することが多く、経済的なことも具体的に記述があるのでわかりやすい。
    似たようなストーリーは他にもあるけど金銭問題について掘り下げてないことが多い。
    同世代としてこの先も新刊が楽しみです。

  • 還暦前の主婦が離婚に向かう話。
    1冊丸ごと夫への愚痴かと思うくらい
    つらつらと山のない話が続く。
    この年代の女性なら
    あるある話かな、と思う。

  • 垣谷美雨さんの作品は、心の機微を絶妙に捉えていて、ハッとさせられる。主人公の澄子は、側から見れば決定的な原因は無くても、当人の心が蝕まれて洗脳されてしまっている。モヤモヤとする心と向き合い、紐解き、問いかけ、周囲の人が手を差し伸べてくれ(ズバッと進言してくれ)、ついに自分自身の心の望みに気付く。良くも悪くも、人間は環境に慣れやすい。自分自身の心を疎かにしてしまえば、モノクロな人生になってしまう。何とでもなる、女性のバイタリティ、パワーは想像を超えている。自分自身を信じてあげて。そう背中を押してくれる作品でした。

  • なかなか面白い。
    想像していた話とは少し違ったけれど爽快感あり。

  • 両親が別居中だからグサグサきた〜!
    旦那クソすぎて終始イライラ。
    自分は年老いても手を繋いでいられる夫婦でありたい…。男の人は一度読んでみてほしい笑

  • これは共感する中高年女性が多いのでは、、、
    離婚をすすめているわけではないけど、
    迷ってる人の背中を押すかも。。。。
    夫側の男性たちに、ぜひ読んでいただきたい。

    主人公の澄子は還暦間近で、離婚したらお金がなくて生活できないと思っている。田舎だから町中の噂になる、親や子供達に影響すると思っている。嫌いなはずの夫なのに心配もしている。自分は非情な女なのかと思う。
    でも、夫がいると体調が悪くなることに気づく。
    DVを受けている千鶴や、離婚に踏み切った昔の同級生と話すうちに気持ちを整理して、弁護士に相談にいき「離婚しても食べていけるか」を、さぐりはじめる。最後の最後まで迷い悩み続ける。
    この、迷いや悩みが共感を呼ぶんだろうなと思う。
    スパッと決断出来る人ばかりじゃないから。
    諦める人が多いから。我慢する人が多いから。
    いまの生活をガラッと変えることが怖い人が多いから。

    女は家庭を守る、とかの古い考えで、
    会社を辞めて主婦になることに、昔はさほど抵抗感がなかったんだろうなと思う。
    結婚は「永久就職」と言われてた時代もあったし、
    そういうもんだと思ってたんだろうと思う。
    そして、家庭に入ると、もう選択肢なくなって出られなくなる!!

    この本には、仲良し夫婦は誰も出てこない。
    もしかして弟夫婦が唯一かもだけど、澄子側からの見方しか書かれてないから、どうだか。。。
    えっ! 夫婦ってみんなこうなの?? 我慢するのが当たり前なの?? そんな人生いやだー!!

    人のウワサとか、人に言われるとか、なんでそんなに気にするのか、まったく理解出来ない。
    それらはマナーや優しさとは次元が違うと思う。
    澄子は、東京の飲食店で、まわりは幸せそうな夫婦たちばかりと思ってて、よく観察したら会話してないことに気づく。全身ユニクロで平気な同級生に気づく。
    だんだんと、人の目なんてさほど気にしなくていいってことに気づいていく。
    ひとりで東京にいくこと、自分の生活圏から出ること、自分で調べて行動すること、そういうことが
    自分に自信をつけるし、自分という人間を知ることにつながるんだなと思う。
    夫や姑や親に言われたとおり、我慢して諦めて暮らしていると、自分の意思ってものをなくしていくと思う。「自分は」どうしたいのか、どう思うのか、
    まずそれを取り戻すのが大事だと思う。
    そのうえで、我慢してでも現状維持を選ぶなら、
    それはそれでいいんだから。
    もしかしたら、その我慢を、少し減らせるかもしれないし。
    (千鶴のようなDVは我慢してはいけない!)

    自分が幸せかどうか、わからないときは、
    1日か1週間に何回笑ったか数えたらいいかも。
    (愛想笑い以外で)
    ひとり暮らしでも、笑いは毎日あるんだから。

  • タイトル通り、離婚を題材にしたお話。
    娘二人は巣立ち、夫婦二人で過ごす生活に嫌悪感を抱くようになった澄子。
    例え離婚したとして、50も過ぎた自分がパート収入だけで生活できるはずがないと諦め、このまま生活に耐えてそして旦那が早く死ぬことを願う……物語の始まりはこんな悶々とした澄子の心情に驚いた。
    未婚の私にはこんな気持ちになってまで(相手の死を願うってよっぽどでは?)一緒に暮らす選択をすることが理解できないし、田舎だから人の目が〜といったいいわけにも嫌気が差す。
    主人公の気持ちに共感することもないし、私にはハズレだな〜このお話は、なんて思いながら読み、ふと両親は大丈夫なのか?と気になって電話をかけてしまった(母親には笑われた)。
    グズグズウダウダした澄子が、離婚を決意して少しずつ前に進む力を持ち、逞しくなっていく姿は気持ちよかった。
    やはり垣谷さんのお話は読後感がいい。
    私には分からない世界だったけど、でも人は何歳になっても人生やり直せる、それぐらいの気持ちが持てる世の中だったらいいなと思った。
    お先真っ暗なんじゃなく、明るい未来が待っていて欲しい。いや、掴みたい。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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