闇医者おゑん秘録帖-残陽の廓 (単行本)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120056352

作品紹介・あらすじ

数千の男女が蠢き、夥しい金が動く。
幻の花が咲く街・吉原。
遊女たちの命を次々に奪う病の正体は!?


おゑんは、複雑な事情を抱える女たちを診ることを生業とする闇医者だ。吉原の廓・美濃屋で花魁の安芸を診察した帰り、甲三郎と名乗る謎めいた男がおゑんに声をかけてくる。美濃屋の主・久五郎と吉原の惣名主である平左衛門のもとにいざなわれたおゑんは、三日前に倒れた遊女・春駒を診て欲しいと二人に頼まれる。しかし、これまでおゑんが見たこともない症状で病み窶れている春駒は、治療も虚しく命を落としてしまう。平左衛門によると、最近、同様に亡くなった遊女は春駒で三人目だという――。
「婦人公論」人気連載、待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  •  おえん、いつもながらカッコいい。ひっそりと闇医者を続けながら、女性の頼もしい味方。その魅力は、吉原の花魁にも伝わるほど。

    あさのあつこさんの歴史小説は、小難しくなく、そのまま現代にも通じる人間模様が多い。歴史が苦手で時代物をを敬遠してる人にもオススメ。

  • シリーズ第3作。
    今回は、吉原での連続不審死の謎に立ち向かう。依頼主の惣名主が付けた協力者・甲三郞がまとう翳も気にしつつ、おゑんは調べを進めていく。
    お春がすっかり頼もしい助手になっていて、シリーズものはこういうのが楽しい。
    そして、毅然として女性の立場に立つ一方、けっして甘い理想論でごまかさないおゑんの矜持が好もしい。

  • 吉原の中で謎の病に挑む、その事件そのものも面白いんだけど、何よりキャラが良い。おゑんが凄く格好良くて見惚れる。誰に対しても変わりなく自分をしっかりもって意見を言える。惹きつけられてぐいぐい読みました。

  • おゑん先生も相変わらず面白いのだけど、お春さんが派手さはないものの地に足をつけて生きていっている姿に嬉しくなる。

  • みんな敵討ち

  • 良いキャラ出てきた。続編も甲三郎がいてくれたらいいな。

  • 主人公だけでなく脇役がとても良い。ただ今回はおゑんの独白が少し多過ぎた感がある。

  • 閉ざされた世界・吉原で起こった遊女たちの謎の連続怪死事件、それを女医おゑんが二人の女性末音・お春、及び吉原の美濃屋の用心棒・甲三郎とともにその謎を解明していく。その中で次々に女性たちに起こる病の発生。おゑんの襲撃。甲三郎の過去も明らかになってくるところは「木挽町のあだ討ち」の登場人物と重なることも多かった。江戸の吉原のルール、花魁が受け継がれていく育成体制なども興味深く読ませてもらった。ただ、おゑんに託された妊婦の患者・由利の存在も重要な位置づけなのだが、甲三郎とともに、最後に何らかの展開がなかったことは、消化不良だった。

  • おえんシリーズが1番かっこよくてゾワッとして割り切れなくて惹かれるんだよなー
    今回も先生かっこよかった

  • 吉原遊女の連続死の謎にせまる。“越冬虫”なる毒を仕立て、結末はいささかあっけないが、著者のメッセージはしっかり盛り込まれていた。このところ他のシリーズをも含めて、江戸期の価値観をちくりと咎める。武家の矜持が命より重いと説かれれば、矜持とは死ぬだめでなく生きるためにあると返す。意地だの面目だのに振り回されて命を捨てる輩は、馬鹿としか言いようがないと。さらに、後継を産むことだけを求め、子ができぬならその理由を女に押し付けて面目を保たんとする男のエゴイズム。時代に応じた観念はあれど、振り返って学ぶ意味は大きい。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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