- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120057281
感想・レビュー・書評
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さすが柚月裕子最後まで一気に読ますなんて久し振りの大作だったような気がします。
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南部鉄器製造の会社を営み自らも腕の良い職人でもある男が突然,非行少年の更生のサポートをする補導委託を引き受けると言い出した。父にこれまで愛情を受けてこなかったと感じてきて父との関係をこじらせてきた40間近の長男を始め周囲は困惑するが,実際に少年が住み込みで働くことになると徐々に皆春斗を応援する気持ちに変化していく。一見普通の子である少年・春斗はなぜ非行に走ったのか。そこには両親との確執があった。一方,長男・悟は,春斗の件をきっかけに父の秘められた過去を知ることになり,父の自分に対する接し方の理由を知ることになる。
親は自分の子供にどのように向き合うべきなのかを問いかける作品。 -
親と子の関係
それぞれの家庭で様々だと思う
柚月裕子が描いた家庭
喜び、苦悩、葛藤
一つ一つ感銘した
自分の人生を振り返り、自分の思いは何処にあったのか
思いを押し通すことができる人間はどのくらいいるだろうか
後悔、羨望色々な感情か渦巻く
流石、柚月裕子作品だ -
2024.5.16
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しみじみと思い返す瞬間がある。
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家族って、煩わしいときもたくさんあるけれど、やっぱりいいなあとおもわせてくれる。自分も、親が大嫌いだった頃を思い出す。同じ年になってわかることもある。話さなければわからないことも、たくさんあるよなあと。
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柚月裕子さんの作品は、結構読ませていただいたが、この本はちょっと残念な気がした。
薄くありきたりな展開で、最後まで盛り上がりに欠けた。
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2024.4.30
補導委託というものを初めて知った。
たとえ親子であっても人の気持ちってなかなか伝わらない。親が子を思い、子が応えようとする、矢印はお互いを向いているのにすれ違ってしまうこともあるんだよなぁ。
“人生で一番辛いのは孤独ではないか、と悟は思っている。お金があっても、親しい人がいても、どこまでも自分に寄り添ってくれる人間がいなければ、心は満たされない。逆に、環境が整っていなくても、自分のことを心から支えてくれる者がいれば、どのような問題にも立ち向かっていけるのではないか。” -
盛岡にある工房で南部鉄器づくりをしている悟は、「親方」である父に、どこか鬱屈した思いを抱いている。
厳しく、頑固で、愛情を示すそぶりを見せない父親が、誰にも相談なく「補導委託」をはじめると言い出した。
問題を起こした少年を、家庭裁判所で処分を判断される前に、一時的に預かる制度のことを「補導委託」というらしい。
万引きや窃盗を重ねてきた少年、春斗を受け入れることを決めた父親に、悟は内心で反発する。
自分の子どもたちには無関心だったのに、他人の子どもは預かるというのか・・・。
不信や不満を抱きながら始まった補導委託は、春斗だけでなく、悟やその家族たちにも新たな風を吹き込む。
岩手山やチャグチャグ馬コなど、盛岡の風物が魅力的に描かれていて、行ってみたいな、と思った。