- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121002853
感想・レビュー・書評
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応仁の乱は一種の革命。仏教の権威、公家の権威、室町大名の権威、血統の権威が亡霊みたいにか細くなった。そして民衆の中から、織田や徳川が出てきた。司馬
金のような温かい黄色よりも、銀にような淋しい色のほうが日本的な感じがする。東山文化の墨絵、花道、茶の湯。宗祇(旅の詩人)。雪舟。陶器なら伊万里や柿右衛門ではなく吉田織部。キーン▼淡い月光のもとで見る銀閣は完璧な美のような感じがして、これは生身と断絶したやつ(足利義政)が作ったに違いない。司馬▼太秦・広隆寺の弥勒菩薩。当時の金箔や塗は剥げ、地肌がむき出しになり、千年の間に黒っぽくなっている。中国では塗り直すだろうし、朝鮮では必ず塗り直す。司馬▼日光東照宮。徳川の天下が固まって三代目。家康へのおべっかの限りを尽くした。美を創り出すより、おべっか表現だからデコラティブになった。黄金の時代だった安土桃山の模倣。安土桃山という開かれた時代には黄金が時代の情感にふさわしかったが、閉ざされた徳川時代になっているのに安土桃山の豪華さだけマネた。そのいやらしさが出ている。司馬
四天王寺。外国からの使いに、船から高度な建築物を見せるため。司馬
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日本史の国民的作家と日本文学の碩学の対談。
間宮林蔵が幕府方のスパイだったとか、アーネスト・サトーが天皇中心の中央集権体制のアイデアを出したとか、知らないことがたくさん載っている。
1972年初版の本だが、歴史好きなら読んで損はない。 -
司馬氏とキーン氏の対談本。
街角で出くわした両氏の井戸端会議を聞いてる感じで、と始まるが...
随分と高尚な。
やはり、『菊と刀』に通じるか。
恥の文化。そこには美意識が高かった。世間体に通じる。
また、思想、理念、どれも輸入物を咀嚼して独自のものに作り変える。
今に通じるな。
日本は改良には秀でるが、発明には縁遠いなんて言ってる方がいたが。
初版が1972年かー。
学生の頃にこういう授業を受けてみたかったな。 -
司馬氏の著作物は何冊か読んだ事もあるので生半可じゃない知識があるのは知っていたけれどドナルド・キーン氏については日本が大好きな海外の人のいいお爺ちゃんくらいにしか思っていなかったのでこの本でかなりショックを受けた。対談の内容についていけない自分が悔しいなんて、なんて幸せな経験だろう。もっともっと勉強して知識という財産を自分で増やして行きたくなった。これを機にドナルド・キーンさんの著作物を読む!!!
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司馬、キーンの両者とも凄まじいまでの博覧強記。その<span style='color:#ff0000;'><b>歴史感覚は膨大なデータに支えられている</b></span>。対談の様子はまるで、余人には証明不可能な<b><span style='color:#ff0000;'>歴史定理を次から次に証明していくようだ</span></b>。互いに触発し、歴史の上流から下流に至る点と点をたちどころに連結してしまう。さながら神の目。藤原正彦や内田樹とは格が違う。
足利義政についての評価が分かれているのは、やはり日本人と外国人の差異だろうか。また、近松や儒教についての話は噛み合わず、すれ違っている点も面白い。 -
20180902
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二人の歴史知識を元に、様々な観点で二人の自論を展開する。キーンさんは、まだご存命だと思われるが、何されてるのだろう。名著。
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第三章 金の世界・銀の世界-乱世の美学
第五章 日本人のモラル-儒教をめぐって
第七章 続・日本人のモラル
第八章 江戸の文化 -
文体が自然で落ちついている。