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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121004666
感想・レビュー・書評
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(*01)
邪馬台国はどこにあったか、卑弥呼はどんな人だったか、というありがちなところから離れて、邪馬台国の記事が書かれた魏志倭人伝を人類学的に分析している。
文身や服飾、航海(*02)や占い、婚姻と一夫多妻、王政や住居など、様々な角度から倭人伝を説いており、また紀元後のこの山島に寄せた文明がそもそも様々な複合であったとも読める。
(*02)
航海術の観点から陸地に定着した文化を考えてみなければならない、海から陸の風景(*03)を眺めてみなければならないと考えてはいたものの、本書に紹介された持衰については全く知らなかった。この風習はどこかコックピットからの操縦を思わせるものであるが、後半に登場する重要な観念であるアムフィクテュオニアと合わせ、この期から以降の山島の祭祀を考える上で大変に興味深い。
(*03)
港市のヒンターラントないし内陸部という、邪馬台国の立地についても説得力がある。古代の駅とその周辺という関係にも適応できそうな交易と資源の歴史的関係である。グローバルとローカルという現代的な視野にも入りそうである。
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