時計の社会史 (中公新書 715)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007155

感想・レビュー・書評

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  • これまた大航海時代、産業革命と深くかかわる話。江戸時代のガイドブックには穴があって、こよりを立てて日時計として使ったとはまた芸が細かい。いやガイドブックがあったことのほうが驚きか。。

  • 時計の発明から日本への伝来、そして現代(この本の出版は1980年代)に続く時計の技術・機能発達とその背景もしくは影響下となった各国の社会の状態や変遷を歴史的におっており、そこから時間に対する人々の感覚の変化にも言及していておもしろかった。貴重な文献なのに、絶版なのか、書店ですぐに買える本ではなくなっているようなことが残念だ。
    この本では最終的に、機械時計・ウォッチの普及によって人々に余暇が増加し、パーソナル化した時間を自由に使えるようになったことを、どちらかといえば楽観的に論じている。しかし、この本の出版後の人々の「時間」を追っていくと、その使い方に自由な選択の余地のあるはずの余暇時間は、更なる労働に当てられたり、人々はより忙しい生活に駆り立てられているように感じられる。「スローライフ」ということばが郷愁の念をこめて叫ばれているような現代社会を考えてみれば、そのことは明らかだ。また、得た余暇時間をどう使うかを、本当に思い通りに満足がいくようにコントロールできている人は、自分の周囲の人々を見ていても少ないように感じられ、人間が時間をパーソナル化してコントロールすることは達成しえないことなのではないかと思う。

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