- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121009258
作品紹介・あらすじ
5千年の歴史と文化が彩る韓半島には、中国・韓国(朝鮮)・日本など、東アジア諸国の歴史が孕むダイナミズムのなかに、韓民族の諸王朝が興亡する。本書は、檀君朝鮮の建国から1948年の南北分断までを「父が子に語る韓国史」として描く。
感想・レビュー・書評
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「物語韓国史」金両基著、中公新書、1989.05.25
293p ¥780 C1222 (2022.10.05読了)(2003.03.18購入)(1994.06.10/10刷)
日本と朝鮮半島の関係で思い浮かぶのは、以下の4つです。
663年10月 白村江の戦(唐・新羅 対 日本・百済)
1274年 文永の役、1281年 弘安の役 蒙古襲来・元寇(高麗)
1592年~1598年 朝鮮出兵(文禄・慶長の役)豊臣秀吉 対 朝鮮王朝・明
1910年8月29日 日韓併合(大韓帝国を併合)
朝鮮半島の歴史は、中国との関係がいつも付きまとっていることがわかります。
朝鮮半島が統一されてからも権力争いはすごいんですね、現在の韓国を見ても大統領が変わるたびに前の大統領が逮捕されて有罪になり、恩赦で釈放される、ということを繰り返しています。伝統は、続いています。
【目次】
Ⅰ 韓国神話と歴史のあけぼの
Ⅱ 三韓三国と神話の時代
Ⅲ 高句麗の盛衰
Ⅳ 百済の興亡
Ⅴ 新羅の発展と韓半島統一
Ⅵ 高麗王朝時代
Ⅶ 朝鮮王朝時代
Ⅷ 日本帝国主義下の朝鮮、そして独立
あとがき
☆関連書籍(既読)
「朝鮮史」梶村秀樹著、講談社現代新書、1977.10.20
「古代朝鮮史」井上秀雄著、日本放送出版協会、1988.04.01
「韓国の古代文化」韓炳三著、日本放送出版協会、1995.04.01
「蒙古襲来(上)」網野善彦著、小学館ライブラリー、1992.06.20
「蒙古襲来(下)」網野善彦著、小学館ライブラリー、1992.06.20
「「蒙古襲来絵詞」を読む」大倉隆二著、海鳥社、2007.01.15
「朝鮮通信使」仲尾宏著、NHK人間講座、2001.04.01
「韓国併合」海野福寿著、岩波新書、1995.05.22
「韓国」渡辺利夫著、講談社現代新書、1986.10.20
「スカートの風」呉善花著、角川文庫、1997.02.25
「徹底検証朝日「慰安婦」報道」読売新聞編集局著、中公新書ラクレ、2014.09.30
「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」ケント・ギルバート著、講談社+α新書、2017.02.20
(「BOOK」データベースより)amazon
5千年の歴史と文化が彩る韓半島には、中国・韓国(朝鮮)・日本など、東アジア諸国の歴史が孕むダイナミズムのなかに、韓民族の諸王朝が興亡する。本書は、檀君朝鮮の建国から1948年の南北分断までを「父が子に語る韓国史」として描く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
韓国に旅行に行くことを思い付いてから、自分が隣国である韓国についてほとんど知らないことに気付き、これをきっかけに勉強してみようと手に取った。
買った勢いで読み進めたが、頭に入らない。読んですぐ忘れていく感じだ。読み方の分からない名前・漢字が多すぎるのだ。李氏朝鮮から先が大事だと思ったのでそこからは読んだ。この本は韓国の戦後についてはほとんど書かれていない。朝鮮戦争の記述が2ページとは…。
にしても、中公新書の字は相変わらず読みにくい。 -
真面目に韓国史を勉強しようと思っている人には不適。神話と歴史をごっちゃにして記述している段階でアウトやがな。後書きにも書かれているが、きちんとした歴史教育を受けずに独学で学んだ人特有の偏りがあって、正直キツイ。
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1443年、朝鮮王朝・世宗が訓民正音を創りだした。世宗曰く、「わが国の語音は中国とは異なるので、愚民は言いたいことを表せない。それを不憫に思い、私は二八字を新制し、日常で用いるのに便利なようにした」
儒教学者・崔萬理はこれに反対した。崔萬理曰く、「わが国は中国を宗主国として奉じています。新しく文字を創れば、中国に対する親意を犯します。蒙古や日本、チベットには固有文字がありますが、彼らはみな野蛮人として蔑視されています。わが国の美徳(中国語)を捨てることは文化を退歩させます」
世宗の時代よりも遥か昔。607年、「日出る処の天子(天皇)、書を、日没する処の天子(中国の皇帝)に致す。恙なきや。」(推古天皇・聖徳太子)と書いて、隋の煬帝を激怒させた日本と異なり、歴代の朝鮮の王朝は中国に頭を下げ続け、中国文化の忠実な模倣に徹した。
新羅末までに朝鮮人は朝鮮語の名前を捨て、李など中国の名前に変えた。 -
神話時代から近代までの韓国の歴史を物語風に綴ったもの。檀君の母親だという熊女が時々出てきて語るのも楽しい。近代、現代の韓国史の本は出ているけど、神話時代からの歴史(?)を語る本が最近には無いように感じる。絶版になっているようだけど、復刻しても人気がないのかな?
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紹介文に「父が子に語る韓国史」と書かれているように、韓国・朝鮮の民族意識の反映としての歴史を語った本です。紀元前2333年に興ったとされる檀君の古朝鮮から説き起こされ、それ以降のコリア史を、檀君の母である熊女が見守りつづけているというスタイルで、歴史物語が展開されていきます。三韓時代の抗争を記すことに重点が置かれていて、近代史についての叙述はほとんどありません。
東北アジアの歴史については、いまだ実証的なベースでの研究を進められる環境がじゅうぶんに整っていない現在、本書のような民族精神の形成に寄与するような神話=歴史を相互参照し、それぞれの国でどのように民族精神がかたちづくられてきたのかを、批判的にとらえ返していく作業が重要なのではないかと思います。そういった意味で、日本人にとっても、本書のようなコリア史を知ることにも意味はあるのかもしれないと考えました。 -
韓国の歴史を物語のようによんでいく。
歴史の勉強がたのしくできる。 -
神話の時代から中世が中心。歴史は争いの積み重ねということがよく分かる。
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最近韓国歴史ドラマをたくさん見ているので、朝鮮半島の歴史を建国当初から知りたいと思い買ってみた。神話時代から現在の韓国に至るまで、概略がわかるので面白いと思った。ドラマでは創作が多いと言われているが、この本でも神話なのか事実なのかよくわからない部分があった。
タイトルが「物語 韓国史」なのだから、神話は神話として紹介してくれたらそれでいいのに、筆者はこれらの神話を「歴史的事実」ではないが「信仰的事実」だという。
「信仰的事実」ってなんだろう。筆者はこれらの神話や伝説をどうしても「事実」にしたいらしい。それを正当化するために「信仰的事実」などという言葉を創作し、神話や伝説を「事実」にしているように見える。
物語として読む分には、私には面白く読めたので、神話は神話、伝説は伝説と書いてもらえれば、素直に読めたのにと思った。
そういう意味でがっかりした。