細菌の逆襲―ヒトと細菌の生存競争 (中公新書)

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著者 : 吉川昌之介
  • 中央公論社 (1995年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012340

細菌の逆襲―ヒトと細菌の生存競争 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • ヒト内部での免疫系vs微生物の戦いと、人類の英知である抗生物質vs微生物の戦いという二重構造のバトルが描かれている。かなり専門用語が使われていて、素人がきちんと理解しきるにはちょっと難解。最終的には耐性菌の怖さに帰結するが、この耐性菌というのは、突然変異で生まれるのではなく、他の微生物の遺伝情報から、狡猾に耐性を掠め取っているということを知り、かなり驚いた。

  • 1995年刊。著者は日本歯科大学教授(元東京大学医科学研究所教授)。◆「不味い、もう一杯」と言いたくなるほど高密度、高レベル(勿論、私にとって)の病理細菌学の基本書。種々の細菌に関し、それ毎の発症要因、その過程、ヒトの側の免疫機構との攻防を解説する。生化学・細胞・分子生物学に関する知識があった方がより良く読みこなせることは間違いない。とは言うものの、それだけで諦めたくはない書。◆細密さが売りの本書から見て余り意味はないだろうが、全体総括は①発展途上国が最近の疾病発生源という現実、特に水系汚染の問題。
    ②抗生物質体制細菌の蔓延(殊に多剤耐性菌)、院内や刑務所等集団で生活する場所での感染拡大。③先進国における格差拡大の結果、貧困層が感染源と化している実態。④交通機関の発展・生鮮食料品の輸出入の拡大による感染の爆発的拡大。⑤抗菌剤の動物飼料混入によって、非病原体共生菌が耐性菌に変化。
    ⑥米においては、エイズ患者の結核罹患率が高い。

  • 娘から検出された、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌について調べているうちに手に取った本。専門用語も多々あったが、馴染みのない者にも読みやすくしたかったとは感じられるが、索引がないなどまだまだ配慮ができたのではとも思える。2013年9月現在、中国で家畜に抗生剤を混ぜた飼料を大量に与えているというニュースを見て、更なる耐性菌の出現に危惧せざるを得ない。効率だけを重視し、目先の便利さに目が眩むといつかしっぺ返しがくるという危機を、地球規模で共有しなければならないのだが、過去から学べず、周囲の意見も無視し、独立した教育がなされないままであれば非常に危ういのではなかろうか。

  • 予想していたより教科書っぽい本だった。特に前半は免疫機構の解説が多かったが、適度にケーススタディがはさまれていて集中しやすかった。
    分子生物学的には、形質の相変異がDNAレベルで起こるしくみが面白かった。また、耐性遺伝子の水平伝搬について最近論文を読んだところだったので、イメージがしやすかった。
    感染症との闘いはもはや絶望的に思える。既出の抗生物質でだましだまし治療していくほかに方法はないのか。

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細菌の逆襲―ヒトと細菌の生存競争 (中公新書)の作品紹介

細菌が原因の疫病は、抗生物質などの抗菌剤の使用によって消滅の道をたどっていると思われてきたが、現実にはペストの突然の大発生が起きたり、免疫系を攪乱する病原菌やハイテク武装した新顔が出現している。本書は、ヒトと細菌の長い生存競争のなかで編み出された相互の巧妙な攻防の体制を紹介しながら、多くの疫病の発生を考察し、さらに抗菌剤への過信と濫用の結果生じたMRSAなどの耐性菌の驚くべき実情と対策に言及する。

細菌の逆襲―ヒトと細菌の生存競争 (中公新書)はこんな本です

細菌の逆襲―ヒトと細菌の生存競争 (中公新書)の単行本

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