1995年刊。著者は日本歯科大学教授(元東京大学医科学研究所教授)。◆「不味い、もう一杯」と言いたくなるほど高密度、高レベル(勿論、私にとって)の病理細菌学の基本書。種々の細菌に関し、それ毎の発症要因、その過程、ヒトの側の免疫機構との攻防を解説する。生化学・細胞・分子生物学に関する知識があった方がより良く読みこなせることは間違いない。とは言うものの、それだけで諦めたくはない書。◆細密さが売りの本書から見て余り意味はないだろうが、全体総括は①発展途上国が最近の疾病発生源という現実、特に水系汚染の問題。
②抗生物質体制細菌の蔓延(殊に多剤耐性菌)、院内や刑務所等集団で生活する場所での感染拡大。③先進国における格差拡大の結果、貧困層が感染源と化している実態。④交通機関の発展・生鮮食料品の輸出入の拡大による感染の爆発的拡大。⑤抗菌剤の動物飼料混入によって、非病原体共生菌が耐性菌に変化。
⑥米においては、エイズ患者の結核罹患率が高い。
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- 感想投稿日 : 2017年1月24日
- 読了日 : 2017年1月24日
- 本棚登録日 : 2017年1月24日
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