フランス現代史: 英雄の時代から保革共存へ (中公新書 1415)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014153

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  • こちらもフランス現代史。
    ・ドイツ軍占領下のパリ防衛の責任者フォン・コルティッツはヒトラーの命令を果たさず、パリを破壊の手から救った
    ・自ら国内レジスタンスの活動に身を投じていたミッテランは、戦後レジスタンスの栄光をドゴールが独り占めしたことに対する強い反発を終生抱き続けていた
    ・極端な外国人排外主義を主張する国民戦線FNが、移民の多い南仏でとりわけ票を伸ばしたというのは、有権者がそれだけ日常生活において移民の存在を肌で強く感じるからだろう
    ・「移民」という概念は、国籍を有する者と有しない者にまたがる概念
    ・外国人の子供は17歳まで「外国人」として扱われる。その後、犯罪歴の有無、フランス語能力など「同化」の程度を審査した上で国籍が認められる
    ・アルジェリア独立戦争後に数万人のアルキが処刑されたと言われ、フランスに逃げ逃れたアルキとその家族も二級市民の扱い
    ・理想と現実主義の巧みな使い分けは、複雑なヨーロッパ国家関係の歴史の中で生き抜いてきたフランスの知恵。核抑止力をついに放棄しなかったミッテランもその例外ではなかった

  • 2013年13冊目

  • [ 内容 ]
    パリ解放とドゴールの凱旋によって出発したフランスの戦後には疲弊した経済の立て直し、植民地解放運動への対処等課題が山積していた。
    とりわけアルジェリア紛争は国内分裂を招きかねない危機であった。
    これを乗り切ったドゴールの指導力も、五八年五月の学生反乱を契機とする変革の波には抗し切れなかった。
    高度産業社会は伝統的価値観も転換させたのである。
    英雄の時代からコアビタシオン(保革共存)へ向かうフランスの試行の足跡。

    [ 目次 ]
    第1章 フランスの解放とドゴール臨時政府
    第2章 第四共和制の成立と展開
    第3章 ドゴール時代
    第4章 ポストドゴールの第五共和制
    第5章 ミッテラン時代
    第6章 シラク時代

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    [ 参考となる書評 ]

  • フランス現代史をおさらいするためにはいい本。
    参考文献を手に入れるために購入。

著者プロフィール

東京外国語大学大学院教授。1954年生まれ。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業、同大学院地域研究科修士課程、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程、パリ第1大学大学院博士課程修了(DEA)。
パリ高等研究院・リヨン高等師範大学院客員教授、ジョージ・ワシントン大学シグールセンター客員研究員、『外交』 『Cahiers du Japon』 編集委員長、日仏政治学会理事長、在仏日本大使館公使(2008-2010年)などを歴任。
主要著作:『ミッテラン時代のフランス』(芦書房、1991年 渋沢クローデル賞)、『フランス現代史―英雄の時代から保革共存へ』(中央公論社、1998年)、『ポスト帝国―二つの普遍主義の衝突』(駿河台出版社、2006年)、『米欧同盟の協調と対立―二十一世紀国際社会の構造』(有斐閣、2008年)、『フランスの「文化外交」戦略に学ぶ―「文化の時代」の日本文化発信』(大修館書店、2013年)、(編著)『国際政治の基礎知識』(芦書房、1997年)、『ヨーロッパ国際関係史―繁栄と凋落、そして再生』(有斐閣、2002年)、ほか。

「2013年 『シャルル・ドゴール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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