詩歌の森へ: 日本詩へのいざない (中公新書 1656)

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  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016560

感想・レビュー・書評

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  • 生涯の一冊というべき143編の日本詞華集。☆10個。古代から機代までの和歌、短歌、俳句、詩、訳詩、漢詩、唱歌、俗謡、小説、随想、伝記、手紙など、あらゆる日本文から取り出した詩的なかけらたちを集め、鑑賞と著者の想いを寄せた唯一無二の書籍である。たくさんの素晴らしい詩的ことばを操る人たちを教えてもらった。今まで折に触れ、ページをぱらぱらとめくり読み返していたが、今回一か月ほどを掛け、もう一度最初から読み通してみたが、ため息が何度も出る読書体験だった。
    著者にも、特に親しみがある作者はあるようで、与謝蕪村、斎藤茂吉、夏目漱石、清少納言、菅茶山、金素雲などは何度も出てきた。私も一つだけ挙げておく。
    「…ひとつのあかりの下で、くらい風のにほひが、ひろげた本を親しいものにする。」(「夕ぐれの立原道造」より)

    • goya626さん
      nazunaさん
      本当に素晴らしい本です。ここから個々の歌人へ深く入っていくといいのかもしれませんね。実は、金素雲の本は買ったんですよ。
      nazunaさん
      本当に素晴らしい本です。ここから個々の歌人へ深く入っていくといいのかもしれませんね。実は、金素雲の本は買ったんですよ。
      2022/03/13
    • nazunaさん
      goyaさん
      こちらにもありがとうございました。
      金素雲の詩は岩波の「朝鮮詩集」でしりました。かつて、彼の国と日本の詩人達の間に暖かくも...
      goyaさん
      こちらにもありがとうございました。
      金素雲の詩は岩波の「朝鮮詩集」でしりました。かつて、彼の国と日本の詩人達の間に暖かくも敬意と共感があったことに深く感動する一方的で昨今の殺伐とした日韓関係を思うとき、何とも云えない気持ちになります。
      それにしても、芳賀氏の詩歌への造詣の深さ、豊かさに驚きます。文章から伺える詩歌への深い愛情は、芳賀氏のお人柄そのもののようで、後に新聞で氏の訃報を目にしたときは、本当にショックで思わず涙。
      2022/03/13
    • goya626さん
      nazunaさん
      はい、私も芳賀さんがお亡くなりになったのを新聞で知り、ショックを受けました。金素雲さんの訳詩は素敵ですよね。日韓関係は難...
      nazunaさん
      はい、私も芳賀さんがお亡くなりになったのを新聞で知り、ショックを受けました。金素雲さんの訳詩は素敵ですよね。日韓関係は難しいです。大統領が変わってどうなるでしょうか。
      2022/03/14
  • 敬愛して止まない芳賀徹氏の汲めども尽きぬ詩(短歌、俳句含む)への愛情を、深くも豊かな造詣に満ちた芳醇にして凛々しい文章で読めることの至福。絶えず手元において、折に触れて読み返したい大切な一冊。

  • 大好き!なんて美しい豊かなんだろう。

著者プロフィール

芳賀 徹(はが・とおる):1931?2020年。東京大学教養学部教養学科卒、同大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。博士(文学)。東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授、日本藝術院会員。プリンストン大学客員研究員、京都造形芸術大学学長、静岡県立美術館館長などを歴任した。主な著書に『絵画の領分──近代日本比較文化史研究』(大佛次郎賞)、『文明としての徳川日本──一六〇三─一八五三年』(恩賜賞・日本芸術院賞)、『外交官の文章──もう一つの近代日本比較文化史』などがある。

「2023年 『平賀源内』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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