信長の天下所司代 - 筆頭吏僚村井貞勝 (中公新書) (中公新書 2028)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121020284

作品紹介・あらすじ

元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。

感想・レビュー・書評

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  • 第1部 「天下所司代」まで
    第2部 「天下所司代」村井貞勝の日次記
    第3部 「天下所司代」村井貞勝の役割

    著者:谷口克広(1943-、室蘭市、日本史)

  • 京都所司代の村井貞勝を公家の日記や残された文書をもとに論述する。
    村井貞勝の功績はもちろん、織田政権と京都の関係についても勉強になった。

  • 織田信長の筆頭奉行である村井貞勝について書いた本です。
    この本は小説ではなく、いわゆる歴史書です。

    奉行としては豊臣秀吉時代の石田三成が有名ですが、村井貞勝は織田信長の時代に京都所司代になるなど、奉行としての先駆者のような人物です。

    奉行というのはただ指示通りに動くのではなく、ある程度の裁量を与えられて、考えをくみ取って行動するようです。

    そういう村井貞勝ですが、織田信忠へ二条城での籠城を進めたのは結果的に判断ミスとなりました。
    信長の考えが染みついている村井貞勝だからこそ、安土城へ一騎掛けで逃げるよう示唆して欲しかったですね。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-8b1d.html

  • 信長の下でその行政・外交の実務を担った中心人物、村井貞勝。
    戦国という時代のイメージを形づくった多くの武将達と比べてあまりにも地味な存在だが、激動の時代を踏み固めていく信長の統一事業において果たした役割の大きさが伝わってくる。
    どういった性格であったり、人間性だったのかをもっと知りたいと思った。

  • 明智・羽柴ら軍事・行政とも行う者の多い織田家臣団において行政専門の吏僚として幕府滅亡後の京都行政を担った村井貞勝を扱った書。一冊丸々村井というのは2012年の時点でこの書のみか。一次史料をもとにした日次記を中心に彼の動きを追い、暦論議や推任問題等考察する。伝記と思って読むと拍子抜けするやも。村井の動きから信長の思考が垣間見える、かも。個人的原点の一つ。

  • 信長の京都支配を一手に担った男とは。足利義昭を追放してから、本能寺の変までの九年間、一貫して所司代の任にあたった村井貞勝の活躍に光を当てる。

    本書は二部構成である。貞勝が天下所司代になるまでと、天下所司代としての日次記である。

    本書がユニークなのは、当時の一級資料をから、貞勝の日次記をまとめたところにある。前線の武将と異なり地味ではあるが、吏僚としての活躍から織田政権の政策がうかがえて面白い。

  • ただ羅列。そう言われるかもしれないけど、これが文献史学。それで日本史専攻の大学生の多くは脱落してくんだよね。思ってたのと違う! って。

    ・天正10年の暦について、当時主流の三島暦と、暦博士がつくる京暦とで閏月の配置が異なり、元旦が1ヶ月違うという事態が生じた。信長は領内を同じ暦で統一させることを目論み、両者の討論を行なわせた(結果、京暦が採用された)。京暦が権威といえど、考証を経てからでないと採用できないという信長の合理性が見られる。
    →『信長の棺』の核心部分も、暦に関することであったことを思い出した。やはり合理性を第一に追求したのだろう。

  • ほとんど事実の羅列で、物語性とか分析があまりなくてつまらなかった。
    在野の研究者向け。

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著者プロフィール

1943年北海道室蘭市生まれ。1966年横浜国立大学教育学部卒業。東京都中学校教諭をへて、現在戦国史研究家 ※2019年11月現在
【主要編著書】『織田信長家臣人名辞典』第2版(吉川弘文館、2010年)『信長の天下布武』(戦争の日本史13、吉川弘文館、2006年)『検証本能寺の変』(吉川弘文館、2007年)『信長の政略』(学研パブリッシング、2013年)

「2019年 『信長と家康の軍事同盟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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