プロ野球復興史 - マッカーサーから長嶋4三振まで (中公新書 2160)
- 中央公論新社 (2012年4月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021601
作品紹介・あらすじ
第二次世界大戦という戦乱を乗り越え、プロ野球の復興はGHQが乗り込んでくるのとほぼ同時に始まった。食糧や宿にも事欠くなかでの連戦。二リーグ制移行をめぐって繰り広げられる、球団の離合集散と果てなき選手引き抜き合戦。そして時代は川上、大下、杉下、金田から中西、豊田、稲尾ら"野武士"たちを経て、村山、長嶋、王などスター選手が大活躍する一大黄金期を迎えた-。新資料と新証言による、日本野球史の決定版。
感想・レビュー・書評
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図書館で借りた。
戦争が終わったところから、後にミスタープロ野球と呼ばれる長嶋茂雄がデビューする頃までのプロ野球全体をまとめた本。
沢村栄治を始めとした戦前プロ野球の創生期は、よくエピソードになる。また、セ・パ両リーグに分かれた後の記録は、比較しやすいこともあり、データベースをよく見る。
それに対し、この戦後直後からのバタバタ期は、データで見てもよく分からないし、エピソードがあまり見られなかった。そこでの本書は非常に価値があると思った。
なぜ選手の移籍がたくさん発生していたのか、なぜ福岡に西鉄と西日本新聞の2チームができて、ほんの1年で合併したのか、なぜ成績が行ったり来たりしていたのか、それらを紐解く非常に貴重な本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
12球団の存続で大揺れに揺れたことを記憶しているが、かつてはそれと比較にならないほどとんでもないことが次々に起こっていたことがよく分かった。
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終戦後から長嶋デビューの頃までのプロ野球史。
近鉄は監督が法大OBの藤田さん、選手もほとんどが法大OBだったとか、日本にアメフトをもたらしたポールラッシュ氏が戦後の日本に野球普及を促進したとか、意外なエピソードが多く楽しめた。 -
プロ野球ファンには、たまりません。
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知らない歴史。勉強になる。戦後の混乱という言葉ではまとめられない、日常と非日常の間に野球は位置していた。即ち、廃退した気持ちを忘れさせてくれる観客にとっての非日常の空間としての野球と、職業であり、広告であり、興行であるチーム・親会社にとっての道具としての日常の野球。もちろん、両方とも、情熱があったからこそ前進したのだろうが…。
今は情熱もって野球を見なくなったなぁ〜