古田織部 - 美の革命を起こした武家茶人 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023575

作品紹介・あらすじ

織田信長に仕えて調略の才を発揮した古田織部は、のち羽柴秀吉に従って天下取りに貢献。他方で茶の湯を千利休に学んで高弟となる。利休死後、特異な芸術センスで桃山文化に多大な影響力を及ぼし、公武にわたる広範な人脈を築いた。だが、大坂夏の陣で豊臣方への内通を疑われ、幕府から切腹を命じられる。その死の背景に、徳川政権の盤石を期す家康の思惑はなかったか-。美の世界に革命をもたらした稀有の茶人の実像に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 信長・秀吉・家康と仕え、千利休死後の茶の湯界に重きをなした武家茶人である古田織部の実像に迫る一冊。文化人の側面だけでなく、武将としての活動内容も詳しい。茶の湯を介して築かれた広範な人脈と、それを支えた文芸への強い指向性が興味深い。

  • 面白かった。
    古田織部について深く理解することができた。
    全て実在する資料に基づいて見解や別の考察が述べられており、様々な視点から織部について考えさせられた。
    もう一度読みたい。

  • 『へうげもの』読了記念に読んだ。書状等の史料を中心に、織部とその周辺の史実がどこまで踏み固められるかを丁寧に追跡してくれている。終章で織部が書状でも芸術的に遊んでいたように思われる時があることを聞き、書状のような一見無味乾燥に思える史料にもそういった色づく特徴が見出されることもあるのかと発見があった。

  • 図書館がおくる、「クラブ・サークル向けおすすめ図書」

    クラブ・サークル名 茶道部

    請求記号: C-2357  中公新書 
    所蔵館 2号館図書館

  • 第1章 一大茶人に至るまで―生誕から信長時代
    第2章 利休の門人となる―豊臣政権確立期
    第3章 師の側近として―天下人秀吉の時代
    第4章 天下一の茶匠―関ヶ原合戦前後
    第5章 巨匠の死―大坂夏の陣まで
    終章 織部の実像

    著者:諏訪勝則(1965-、神奈川県、日本史)

  • 利休の高弟であり、事実上の後継者であり、そして、師と同じく時の最高権力に切腹に追い込まれた古田織部、その謎に満ちた人物像に迫るのに使ったツールが利休の手紙であるため、古田織部の人物像に迫ることは、同時に利休その人の人物像に迫ることでもあった。
    そして、その豊富すぎる人脈が、確立されようとしている権力/序列を脅かす『と判断され』た為、権力者に切腹に追い込まれる。
    利休の最期を直接知っている古田織部は、自らの最期をどの時点で予見していたのだろうか…
    願わくば、今後新たな史料が発見され、古田織部と様々な陶器の成り立ちに関する側面が明らかになることを望みたい。
    さすがにもうちょい織部焼きの写真とか欲しかったのでその分星一つ減。

  • 古田織部を主人公にした茶道漫画「へうげもの」はよく知られていますね。
    でも、改めて武人&茶人「古田織部」のことを知りたいなら、この一冊もあわせて読んでみるのがオススメです。

    ご存知のように、「大阪夏の陣」で徳川陣営についていたにも関わらず、豊臣側に内通した罪で切腹しています。そのときに、古田家も解体されたことにより、家系図など詳細な文献が消失しているため、まだまだ不明確な事が多い。

    それでも、古田織部が生きた時代から彼の美的感覚や茶道に関する精神を感じさせられます。

  • 古本屋で購入。漫画『へうげもの』を読んで古田織部や茶の湯に興味を持っていたので、ワクワクしながら手に取りました。

    古田織部重然の実像を歴史学的に明らかにしようとした力作です。読んだ印象としては、思ったより分からないことが多いんだなという印象を受けましたが、そんなもんといえばそんなもんかもしれません。多数の史料に丁寧に向き合いながら古田織部の一生をまとめていらっしゃる感じで、私自身いろいろ勉強させていただいた感じがします。

  • 織部好みという美濃焼、へうげもので有名な古田織部、文献資料を駆使して、その実像に迫ろうという意欲作。勉強になりました。

  • 2016年3月新着

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。 國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻修士課程修了。 現在、陸上自衛隊高等工科学校教官。 ※2019年11月現在
【主要編著書】『戦国織豊期の政治と文芸』(葵印刷工業、1996年)、『黒田官兵衛―「天下を狙った軍師」の実像―』(中央公論新社、2013年)、『古田織部―美の革命を起こした武家茶人―』(中央公論新社、2016年)

「2019年 『明智光秀の生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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