トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書)

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著者 : 藤原辰史
  • 中央公論新社 (2017年9月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024510

トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 中公らしい一冊だけど、トラクターという題材は戦車との対比と各国での取り上げられ方ではちょっと弱かったように思える。

  • まあまあよかった。題材が題材だけに現代史に集中していたのでモノ歴史の失敗作にありがちな散漫な印象はあまりなかったが,もう少しベーシックな政治経済史の流れとの接続は欲しかったかも。

  • トラクターというマニアックでニッチなテーマを掘り下げ、人類発展の歴史をあぶり出している本。
    食料生産力を劇的に向上させたトラクターの功績と、戦争に応用されたとする功罪、そしてトラクターが生んだ今後の課題について言及されています。
    全部を通して伝わってくるのが、筆者のトラクターに対する愛です(笑)マニアックながら、ただただ面白い。オススメです◎

  • トラクターの世界史 藤原辰史著 明るい未来に隠された悪夢
    2017/10/28付日本経済新聞 朝刊
     一点突破、全面展開。良き分析に共通する手法だ。そして、本書のそれでもある。
     トラクターという一点に、徹底的にこだわる。発明の経緯、技術改良の過程、農業生産への影響など。ひとつも漏らさない。
     19世紀末、内燃機関を搭載した、奇妙な農耕具が誕生する。以来、古い農業の軛(くびき)を断ち、機械化という新時代へ、解きはなちたい。そんな欲望が、各国で湧き上がってくる。
     米国では、大型機械化と化学肥料の抱き合わせで、農業を近代化しようとする。旧ソ連では、社会主義計画経済のもと、農場集団化をめざし、女性運転手の社会進出も実現しようとする。
     ナチス・ドイツでは、フォルクスワーゲン(民衆車)構想と並び、フォルクス(民衆)トラクター構想で、排外的国家主義の産業基盤をつくろうとする。
     むろん、日本とて例外ではない。終戦直後、農地改革という号令のもと、小型トラクターや耕耘機(こううんき)が、客土や化学肥料とともに、明るい戦後社会をつくろうとした。
     米ソ、ナチス・ドイツ、そして戦後日本。いずれも、明るい未来をトラクターに託したのである。
     本書は、トラクターと、そこに社会が投影した夢という一点を、豊富な事例を通じ、追ってゆく。その手並みは堅実だ。
     だが、本書の真骨頂はその先にある。
     夢のゆくえを追いながら、じつは、夢の背後に隠されていった、悪夢の記憶をこそたどるのだ。
     大型農業経営という米国の夢が、土地を失う大量の農民という現実と化したこと。旧ソ連の農業集団化が、「第二の農奴」批判を呼んだこと。さらには、土壌浸食で環境変異が生じ、農業離れ土地離れの果てに、「スマート農業」という美名のもと、農業の無人化・管理化が喧伝(けんでん)されはじめたこと。
     著者にすれば、すべてないがしろにできない、地球規模での総体的大問題である。しかもそれは、決して歴史の彼方(かなた)に消えた過去の物語としてではなく、今日にまで続く喫緊の時事問題として、われわれの目の前にある。ここまで論じつくす。つまりは全面展開。
     夢のゆくえから、隠蔽された悪夢をあぶりだす。本書の醍醐味はここにある。

    (中公新書・860円)
    ふじはら・たつし 76年生まれ。京大准教授。専攻は農業史。著書に『決定版 ナチスのキッチン』『食べること考えること』など。

    《評》早稲田大学教授 原 克

  • 196ページ「機械はあくまで人間が使うものであり、機械に使われる農業は発展することができない。目的と手段とを取り違えてはならぬという通念は、人間と機械の関係にもあてはまる」。

  • 「ウインドーショッピング」という言葉があるが世の女性は好むようである。小生は書店や図書館を散策するのが好きだが、「ライブラリーショッピング」とでも言うのだろうか。
    本書はその中でみつけたものだが、「トラクターから眺める世界史」とはなかなか興味深い。
    「トラクターから戦車が生まれた」とは知らなかったし、「サブカルチャーとしての機械史」も読み物としてはなかなかのものだ。
    ただ本書は幅広いがあまり深くはないので、駆け足のトラクター史であるとも思った。

    2017年10月読了。

  • 東2法経図・開架 B1/5/2451/K

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