中国農村の現在-「14億分の10億」のリアル (中公新書 2791)
- 中央公論新社 (2024年2月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121027917
感想・レビュー・書評
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本書のタイトルは「中国農村の現在」だが、中国農村は膨大であるのに対して本書で取り上げる事例は少なく、また、現在という割には古い内容も含まれている。
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https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713647 -
東2法経図・6F開架:B1/5/2791/K
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中国では、農村戸籍と都市戸籍の区分、大都市における農民工の劣悪な労働環境、農村からの大学進学希望者の急増による大学の乱立による就職難、など、様々な中国の農村に関する情報を見たり聞いたりしてきている。1種の農奴性ではないかと思い、毛沢東がこの農民たちを取りまとめ、社会主義革命を達成するため、大動員したのではないかと考えていた。本書を読みながら、魯迅の阿Q 正伝を合わせて読んでいた。辛亥革命の前、魯迅は農民をどう考え、どういった方向に導こうとしていたのか?絶望的な環境の中で、狂人として振る舞う農民、故郷に出てくるルントウ、阿Q 正伝の阿Qこれが現在の農民の考え方と一続きではないだろうか?と考えていた。
本書の中の中国農村調査は様々な視点を与えてくれたが、現在の習近平体制では、筆者が後書きでも述べているように、このような調査活動は不可能であろうと思われる。映画 麦の花も機会があったら、ぜひ見てみたい上昇思考だけの農民、競争社会から脱落する都市生活者、様々な矛盾を抱え、現在の経済混乱、バブルの崩壊、金融体制の混乱等筆者の次作にも注目していきたい。 -
経済発展めざましい中国でいまだ多数が暮らす農村はどんな状況か。長年にわたり中国各地の農村で調査を重ねた著者だから書ける実像。
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