- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121502131
感想・レビュー・書評
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日頃の行動の根底にあるものを著者の専門分野である行動分子遺伝学を以て掘り下げようというもの。
一見難しそうな内容であるも、全6章のうち、「第1章 浮気してしまうのは、好色遺伝子のせい?」のユルい文体は実に読みやすく興味深いかったが、章を進むつれ、徐々に専門的内容に偏った印象が拭いきれず、文系のワタクシとしては読んでいて中だるみ感があったことは否めない。
よって★3っ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者に山元先生の研究分野は行動分子遺伝学と言うらしい。
本書ではいろんな性格、本能の類いを主に遺伝子からみて考察している。人間の気になる性格本能がテーマだがまだ人間の遺伝子はそんなに触ることもできないので実験動物での成果を人間に当てはめているのではあるが。
浮気をしてしまうのは好色遺伝子のせい?では浮気者のアメリカハタネズミを遺伝子治療?でマイホームパパにしてしまう話、
太る痩せるも遺伝子からはじまるでは、脳が決める食欲をホルモンでコントロールする話。
母親の愛はどのようにして子供に伝わるのかではラットで面倒見がよい母親とよくない母親を分ける遺伝子があるが、面倒見のよくない遺伝子をもつ娘ラットも面倒見がよい母ラットに里子に出されると面倒見がよい母ラットになる話などなど、決して遺伝子で性格、行動が決まるのでは無く遺伝子の発現の仕方で行動が決まるのであることを教えてくれている。
少々百花繚乱気味ではあるが、その分興味深く読み進めることができる本である。 -
子供の幼いころに母親がどのように接したかによって、その子が老齢に達したときの脳のの健硬度が左右される。
性同一障害は、自分を男と思うか女と思うかという性の自認と肉体の性とがかい離した状態である。これは男を好きになるか、女を好きになるか、ということとは別個の問題である。肉体は女で性の自認は男という人が女性に恋愛感情を抱いた場合、肉体の性を基準に考えると同性愛となり、心(脳)の性に依拠すれば同性愛になる。
異性愛者と同性愛者で差のある脳内の部位は、他に左右の脳半球をつなぐ神経線維の束である前交連も知られている。前交連は男性異性愛者と比べ、女性と男性同性愛者はいくぶん太いといわれている。性同一障害や性指向性が脳の性分化の異変によって起こるとした場合、その異変をもたらした原因はなにか。人を含めた哺乳類の脳の性分化が、胎児期の性ホルモンの作用に強く依存する以上、母親の妊娠中のホルモンバランスを錯乱する要因によって胎児の性指向性や性辞任が影響を受ける可能性がある。
男性同性愛者の周囲にいる親族のうち、他に男性同性愛者である人を探してみたところ、最も効率で見つかったのが、本人の兄や弟であった。そして父がたの親戚にはほとんど見当たらないという結果がでた。 -
【目的】
遺伝子を知ることで人生を豊かに生きるヒントを得る
【引用】
【感じたこと】
遺伝子によって行動が支配されているとしたら、生れ落ちたときから方向性は決まっているのか。
自分に正直に生きるということは、遺伝子の欲するままに正直に生きるということか。
直観を信じたい自分としては、「一目ぼれ」もそれが遺伝子のなせる業と考えてしまうが・・・。
【学んだこと】
生存に都合の良いものは保存される。
「浮気性のある男」を女が選んできたので、その遺伝子を持つ人間が多い。
遺伝子が行動を支配しているケースが多い。