- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121502322
感想・レビュー・書評
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定年後に備えて準備しないと。
地域との関わり合いも重要だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2012.05.12読了)(2010.01.09購入)
定年後にもやりがいを持って取り組む仕事を見つけて働いている人たちの話です。ボランティアでやっている人たちもいるので、働いているという表現は必ずしも適切ではないかもしれませんが。
2007年は、団塊の世代が、60歳を迎えるのでその人たちに向けて企画されたもののようです。僕も団塊の世代ですが、64歳まで働いてもよいということだったので、2か月ほど前に定年となり、退職し、故郷に帰ってきたばかりです。
さてこれからどうするか、ということを考えるために、読んでみました。
結構参考になりそうですが、生憎故郷の様子がまだよくわかりませんので、動き出すにはまだ時間がかかりそうです。
【目次】
序 まず会社を捨てて、社会と格闘しよう
第一章 仲間と一緒に「居場所」を確保する
第二章 自分の「仕事」を立ち上げる方法
第三章 孫の世代に「知恵と技術」を伝える楽しみ
第四章 親の世代と自身の「老い」を乗り切るために
第五章 施設から社会に出る「老いの専門家」たち
終章 「脱病院化社会」がやって来る
あとがき
主な参考文献
●定年後の社会との関わり方(13頁)
これからの定年シニアにとって、あるべき社会との関わり方とはどのようなものなのだろうか? それは個人が社会と積極的に向き合って社会に貢献することによって個人も生かす、というものだ。会社という殻を捨て去って、まずは「一市民」として生きる決意を固めることから始まる世界である。
●人間と社会(15頁)
人間には社会や他者と関わりを持つなかで得られる種類の喜びがある。そうした活動のほうが、どうやら結果的に長続きするようなのだ。社会や他者と関わることには、むろん困難や課題も伴う。だが、社会と向き合いつつ、さまざまな課題を克服しながら他人とコミュニケーションを図ることで自身の社会性も維持してゆく。これによって結果的に健康で快活に生きてゆくこともできる。社会的な活動を継続することで、自分が世の中に存在していることの意味を確認することにもなるわけである。
●みどりの館みやま(119頁)
みやまに野菜を出すようになったことで、おばあちゃんは朝の六時には起きて来ます。野菜を持って行くのに、近所の人の車に乗せて行ってもらう必要があり、そのために早起きする習慣ができました。以前は遅くまでテレビを見て夜更かしする不健康な生活だったのが、最近は顔つやもよくて、生活に張りが出てきました。家じゅうで大喜びしています。
●視点(233頁)
定年シニアが社会とどのように関わるかを考えるうえで不可欠なことは、どうすれば自分自身を世の中で生かせるかという視点を持つことである。
取り上げられている事例
「シニアネット仙台」定年シニアにとっての会員制の居場所
「いこいの家」横浜市戸塚区
「ほほえみネットワーク」配偶者を亡くしたシニア世代の集まり
「シニアSOHO三鷹」企業を考えるシニアのための組織
「エンゼル証券」ベンチャー企業の支援
ペンション「坂のうえ」函館
「江東区シルバー人材センター」放置自転車のリサイクル
「みどりの館みやま」農産物の直販所、岡山県玉野市
釜炊き式の塩づくり、和歌山県美浜町
「竹とんぼ教室」東京都葛飾区
「いろり火の会」民話の聞き語り活動、岩手県遠野市
「ぽっぽの家」子育て支援、横浜市
「ひだまり」宅老所、
「粕屋郡老人給食センター」高齢者を対象にした宅配弁当サービス、福岡県須恵町
「シニアピア・カウンセリング」悩みを聞く
「デイホーム鏡川」宅老所、高知市
「川辺川園」終末医療と看取り
「稲の穂」介護タクシー
☆関連図書(既読)
「定年の身じたく」石川恭三著、集英社文庫、2002.01.25
「定年漂流」西田小夜子著、小学館文庫、2005.10.01
「定年後」加藤仁著、岩波新書、2007.02.20
「おひとりさまの老後」上野千鶴子著、法研、2007.07.12
「老いの才覚」曽野綾子著、ベスト新書、2010.09.20
(2012年5月12日・記) -
誰にでも訪れる定年後の生活設計術を全国の成功例を基に指南している。ほんの少し日々の暮らし方の発想を変えるだけで、〈ただならぬオジサン〉〈ただならぬオバサン〉として周囲に認められるという興味を惹く語り口。