知の分類史: 常識としての博物学 (中公新書ラクレ 236)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502360

感想・レビュー・書評

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  • 人類の知の集積と歴史を、一風変わった角度から総ざらいした本。簡単に云うと、史上著名な博物誌や百科事典の目次ーーーすなわち、知識の分類を紹介している。たかが目次とはいえ、(古代・中世・近世)×(洋の東西)で、それぞれ個性が見られて面白いものだ。特に、人類の知性の発展のうえで、アリストテレスの功績は凄さをあらためて実感し、中世の西洋での宗教が過剰に前面に出てくるあたりは興味深い。知識を分類し体系化することは、世界観を創成する事に等しいと著者はいう。分類ではなく、タグ付けと全文検索で情報にたどり着ける昨今だが、GoogleとWikipedia に頼り過ぎている我々も、自分の知識分類方法=世界観を探すのもよいだろう。

  • 西洋・東洋の博物学・百科事典・図書分類などについて、その成立や構成を書いた本だ。プリニウス『博物誌』、リンネの性分類、ビュフォンの『一般と個別の博物子誌』、フンボルトの『コスモス』、『大戴礼記』などの構成の話が面白かった。フーコーが『言葉と物』で言及した「中国の百科事典」の話もいい。翻訳書の情報も紹介しているのは役に立つ。

  • いろんな時代に編まれた博物学の著作のガイドブックです。

  • [ 内容 ]
    「知る」とは分類すること。
    分けられれば、それ即ち知ったことになる。
    古今東西の分類術を紹介し簡単かつ画期的な知的生活術を伝授!

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 古今東西の百科事典の目次と特徴をさらっと書いた本。
    何だかやっつけ仕事感が否めない。

  • 分類マニアの著者による、
    昔から人類が知識をどのように分類してきたかを綿々と語った一冊。
    ひたすら紹介されていたので、ざっくりとしか読んでません。

    企画としては魅力的だと思ったので手にとってみたのですが
    ・・・・とにかくひたすら紹介なので、これを面白いというのはかなり難しい気がしました。
    ワタクシの興味がないだけかなぁ?
    ・・・・そうですね、興味のある人にとっては垂涎の一冊かも。コンパクトにまとまってるし。

  • タイトルを見た瞬間に“胸キュン”の一冊。森羅万象を分類し記録・保存するという、人間の叡智とそれに費やされたであろう膨大な時間と体力の結晶=博物学を一冊の新書で簡単に紹介しているとは、著者の着眼点にただ脱帽。知的好奇心をくすぐりまくる刺激的な一冊。この本を読んでいて改めて感じさせられたのは、「編集者の客観性問題」ともいえるものだ。百科全書というと一つ一つの事物を列記し、それに“客観的な”説明を加えてあるものというのがおよそイメージされるところだが、知をすべて記述しようとする試み以前にも、洋の東西を問わず物語や日記のような私的(主観的)な記述の中にも、世にも珍しいとされる動植物や鉱物などが記述されており、それらの集積もまた当時の人々(当然読み手は限られていたが)にとって百科事典的な意味合いをもっていたことである。また逆に、“客観性”を保った百科全書であっても、その構成を見ると、編者の生きた当時の、世界の分類のあり方(世界観)の反映が見て取れ、編集権を持つ個人の私的判断結果の(それは時に挑戦的な)記録でもあるということだ。それらをもって客観性が担保されていない、完成度が低いと切り捨てられるのは、あまりにも「もったいない」。テクストというものの有難みがわかる好著だ。

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著者プロフィール

1955年、神奈川県生まれ。出版社の編集者を経てライターに。実用書、科学関係の書を中心に活躍中。

「2008年 『家電・デジタル機器業界大研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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