本当にこわい宮廷の物語: 西洋の「大奥」 (中公新書ラクレ 376)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121503763

作品紹介・あらすじ

命がけの不倫、哀しき寵姫の末路…。絢爛たる世界に繰り広げられる、愛と憎しみの絵図。陰惨なドラマとエロティシズムもふんだんに。本書は閉ざされた宮廷からみた異色の西洋史だ。

感想・レビュー・書評

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  • 噂と眉つばモノが入り交じったよもやま話。ある程度の知識がある人を前提にした話口調が時々イラッとくる。いろいろな要因を極限にまで単純化し、おもしろおかしい話に仕立て上げている。何かの雑誌のコラム的に読むには面白いかもしれない。

  • 西洋、主にフランスの宮廷のエピソードが軽く読めます。

  •  15-19世紀の欧州,王族・貴族の人間模様(男女関係)。いやはや何とも。
     フランスの王って王妃の他に公式寵姫がいて,それは普通に人妻だったりするのは有名な話。夫はその代わりに領地や爵位をもらえるので,まんざらでもないみたい。当時,正式な結婚は政略結婚だったので,かわいそうなのは王妃。王妃ではないが,この時期に恋愛結婚したというマリア・テレジアはほんとにすごい!その上,マリア・テレジアは,16人も子供を産んですごい。当時のことだから,夭折しちゃう子も多いが。娘を駒のように方々へ嫁がしたのは冷酷無情。それでも眼にかけた娘がいたのはやっぱり人間だもの。えこひいきはよくないけど。
     寵愛を失った寵姫の末路は悲しい。自分が追い落とした年増の寵姫と同じ運命をたどる。ルイ十四世の寵姫,モンテスパン侯爵夫人。ルイ十五世の寵姫,ポンパドゥール侯爵夫人。王妃一筋(?)だったルイ十六世はやはり異色。
     西洋も怖いが,後宮の怖さでは東洋も負けてない。劉邦の古女房の呂后,唐を一時中断させた則天武后,清の西太后。でもこれはちょっと怖さの種類がちがうかも。あんまり色っぽくないのはやはり東西の文化の違いかね。加藤徹さんの新書『西太后』はとても良い評伝だった。

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著者プロフィール

パリ大学(ソルボンヌ大学)、リヨン大学にてフランス文学・歴史を専攻。帰国後、執筆活動を行う。人物評伝や歴史の知られざるエピソードを様々な形で紹介している。その作品には拷問や悪女を取り扱うものが多い。主な著作に『本当は恐ろしいグリム童話』『やんごとなき姫君』がある。『本当は恐ろしいグリム童話』はミリオンセラーとなった。

「2016年 『新釈・皇妃エリザベートとふたりの男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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