雑草は踏まれても諦めない - 逆境を生き抜くための成功戦略 (中公新書ラクレ 432)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 57
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504326

作品紹介・あらすじ

勝ち残るのは強い者とは限らない!10年も20年も土の中でじっと発芽の時期を待つ雑草。地上で干されている間は土の中で根を伸ばす雑草。臨機応変に伸びる方向を決める雑草。踏みにじられてもその足の裏に種子をくっつけて別の場所に根を下ろす雑草。雑草は弱いからこそ生き残るために知恵をめぐらす。弱い雑草たちのしたたかな生存戦略から学べ。

感想・レビュー・書評

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  • 生き抜くための戦略が凄い雑草についての教科書って感じかな。稲垣栄洋さんの本はいろいろ読んできたので、知っていたことが多かったし、概論的なことが多いかな。でも、全般的によくまとまった本だ。具体的な雑草の例が少ないのが残念だが、仕方がないだろう。別の本を読めばいいわけだ。具体的な例で面白かったのを少々。
    コニシキソウは、匍匐的に伸びていってぺっちゃんこだが、アリをにおいで惹きつけて受粉してもらうので、花が目立たなくてよく、エネルギーをそこについやさなくてもいい。
    タンポポは、じっと地に伏せていても、花の時期になると、花茎だけを上に伸ばす。スピード勝負なので、葉も新たに付けないし、茎のなかも空洞なのだ。
    イギリスの小麦畑の調査では、1㎡あたり75000粒もの雑草の種があったそうだ。シードバンクとして休眠しているのである。同一植物でも発芽する時期もそれぞれ違うのでやっかいではある。何百年も休眠する種もあるそうだ。

  • ビジネス書のような副題がついておりますが紛れも無く「雑草」本です。
    しかし、内容は面白い。前半は黙々と素人がわかるように雑草の説明がされています。しかし、最後のほうは著者の熱意が伝わるような雑草のような人生観が展開されます。それもまた面白い。
    自己啓発的に読んでも良いかもしれませんね。出勤や登校の際に見る雑草が違う見方で見られると思いますよ。
    雑草が生えていない場所に住んでる人はたぶんこの世にいないと思いますしね。
    しっかし、たかが雑草、されど雑草ですね。
    ホント、見る目が変わります!

  • 稲垣栄洋さんを知るきっかけになった本。
    久米書店で紹介されていた。
    ようやく読めた。
    雑草の力強さが恐ろしい。
    引っこ抜かれても、土の中に残った根の一部から再生する種類があるとか、より早く太陽に近づくために成長を重視して茎の中身は空洞とか、奴らの成功戦略は憎いばかり。
    でも、稲垣さんの雑草愛で、愛すべき点が多数ある事も認識した。

  • 著者が草花が大好きだということがよくよく伝わってくる本。
    日頃はあまり読まないジャンルだからこそ、頭の中が刺激される感じ。

  •  雑草は踏まれても立ち上がるという逆境に強いイメージがある。
    人々がなぜそのようなイメージを持つようになったのだろうか。
    それを植物ごとに解説し、人間の中身にリンクさせたりしている。

     この本の中の「人間はそれぞれ守るべき原則をひとつかふたつもてばそれでよい。他のことはさっさと妥協してしまえ」という言葉が印象に残った。
    筋を通すことが大切であると、改めて気づかされた。

  • ただただ、著者の知識量にびっくり。
    こんな研究をしているひともおるねんなあ。
    最後の「雑草と生きる」の章はおもしろい、というか、アツくていい文章やった。
    ただ、雑草のすごさを列挙して終わる本なので、本当に興味がないと読み進めづらい。またいつか、読み直したいな。

  • 久米書店

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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