秘録東京裁判 (中公文庫 M 309)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122013421

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  • 第二次大戦後の東京裁判で弁護を行った著者によるドキュメント。旧政府側の立場にバイアスがかかっている傾向はあるものの、だからといってリベラルな人も読む価値がない時って捨てるような内容ではなく、東京裁判の問題点をわかりやすく理解するには格好のものであろう。

    個人的に歴史物は苦手であるのだが、読み出したらわかりやすい文章も手伝って非常によく理解できる。ほとんどの項が東条英機を中心とした、A級戦犯に係る話なのであるが、A級戦犯の罪状は事後法として定められ、東京裁判以降には一件も同等の罪状での処罰された者はいなかったという点は、法学からしても議論の余地がある。

    実際に携わった複数の裁判官も、無罪を指示ということで、現在の憲法でも、世界的な常識にも鑑みて、事後立法での処罰の異常性は知っておくべきであろう。

    また、東京裁判やドイツのニュルンベルク裁判は、「日本とドイツの戦犯」を裁くと理解してきたが、実のところ全ての戦争犯罪が裁かれるべきであった。しかし結局、勝てば官軍で、報復としてしか機能しなかった。その辺りも含め、「学校では現代史をやらない、そこが一番知りたいのに」って、そこを掘り下げたら、リベラル側にもアメリカ側にも、まずいことがいっぱい出てくるんですよね。

    しかしね、捕虜収容中に注意を換気するためにちょっと小突いたり、捕虜と言い争いを1回やったり、果てには食べ物が少なくて粗末な飯しか出せなかったり、ごぼうを食わせたというだけで、「捕虜の虐待容疑」でC級戦犯で実務者が死刑って、戦勝国による正義ってなんなんですかね?

  •  
    ── 清瀬 一郎《秘録 東京裁判 19860710 中公文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4122013429
     
     Kiyose, Ichirou 弁護士 18840705 兵庫 東京 19670627 82 /
    /東條 英機の主任弁護人/東京裁判日本側弁護団副団長
    /1946-1952 公職追放/衆議院議長 49-50[19600201-19631023]
     
     19411208 12:40 米大統領より天皇への親書を大使が持参(P112)。
     19441208 マッカーサー、国際検察局を設置。
     19661027 中国、誘導ミサイル核実験に成功(P210)。
     
    …… 名を忘れたが、ドイツの生物学者が、昆虫や蛾の類が夏季に誘蛾
    灯に集まって、そこで焼き殺されるのは、こんなわけだと説明した。
    (P210)。── 阿波 雅敏《秋の夜の感傷 19541122 同志社中学生新聞》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19541123
     
    (20091203)(20220806)

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