薄紅梅 (中公文庫 い 58-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122019713

感想・レビュー・書評

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  • 難読だったが「縷紅新草」はそこそこ意味がとれた。墓所の描写が非常に美しかった。女の描写も、常に変わらず美しかった。最後のふたりの幽霊も、この作品では恐怖ではなく、郷愁の念を起こすものであった。

  • 三作どれも悲しい話だった。現代ではこんな想いも、もう無いのだろうな、と思う。
    これが鏡花の最期にたどり着いた語りかと思うと、感慨深い。鏡花の言葉が、この物語たちを美しくする。いつの世も過ぎ去ってしまった昔を懐かしむものかもしれないけれど、心に留めた風景はできる限りの言葉で彩って、ずっと後まで残しておきたいと思うのだ。

  • 江戸旅行をした気になれる一冊。古文入ってるので手元に便覧欲しかったわ・・・

  • 意味を追うというより、文体を追うという感じの本。
    「薄紅梅」「雪柳」「縷紅新草」を収録。

    http://www.colordic.org/colorsample/2420.html
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/3663_33334.html

  • 鏡花晩年期の作品3編収録の文庫。

    めまぐるしく移り変わる視点の巧みさに翻弄され魅了される至福の読書体験。。。(溜息)
    表題作も良いですが絶筆「縷紅新草」も素晴らしい。

  • 高校時代歌舞伎に魅せられ、
    特に坂東玉三郎が人気の頃であり、
    「天守物語」を舞台にし主演するということだったので、
    そのとき初めて鏡花作品に出会った。
    立て続けに、「歌行燈」と「高野聖」を読んではみたが、
    十代の私にはサッパリわからなかった。
    30年の時を経て、
    久々に手にとった鏡花作品は、
    作者の最期前のものである。
    本当に理解できたかどうかは別として、
    美しい情景が目に浮かぶ程には理解できたように思う。

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著者プロフィール

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年)、小説家。石川県金沢市下新町出身。
15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。
1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠弥左衛門』を連載。
1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵』『義血侠血』などを執筆。1895年に『夜行巡査』と『外科室』を発表。
脚気を患いながらも精力的に執筆を続け、小説『高野聖』(1900年)、『草迷宮』(1908年)、『由縁の女』(1919年)や戯曲『夜叉ヶ池』(1913年)、『天守物語』(1917年)など、数々の名作を残す。1939年9月、癌性肺腫瘍のため逝去。

「2023年 『処方秘箋  泉 鏡花 幻妖美譚傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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