- Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122020757
感想・レビュー・書評
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長い紫式部の生涯を読み終えて、上巻はほとんど子供時代で長すぎると思いましたが、下巻は結婚生活そして宮仕えの流れなど、あまりそこまでの長い小説としては読んだことがなかったので、とても新鮮で小市の性格もとても細やかに描かれていて、源氏物語がどのように形付けられたのかのエピソードがとてもうなずける。平安時代の結婚の形や家の繁栄など、リアルに描かれたところも良かった。平安といえど、決して安心できない世情も容赦なく描かれていて、ただ宮廷の雅やかな部分だけじゃないところが無常感と哀愁を感じさせる読後感だった。
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小市は短い結婚生活の後、源氏物語を書き、それがきっかけで中宮彰子に仕えることになり、紫式部と呼ばれる。その家庭生活、女房としての生活、物書きとしての心境の変化などが描かれている。
久しぶりに源氏物語を読みたくなった。 -
紫式部の生涯を小説にしたのは、本書が初めてですし、その後も出ていません。
下巻は、
越前国府、
移りゆく日々
光る源氏、輝く日ノ宮
出仕
道長呪詛事件
宇治十帖
人形から賢后へ
ねむの花
の章からなり、物語は、佳境を迎えます。 -
紫式部と藤原道長が同時代の接点があったとは知らない自分にとってこの時代の貴族の生き方が詳細に語られているので流れが分かり面白く読めた。
紫式部と自分の性格が似通っていたのも共感でき飽きることなく読めた…
ただ和歌が読めなくて心情が全く解らない。昔の人は感情豊かで言葉も自在に扱っていたと思うと羨ましい。けど貧富の差がはっきり分かるのと政権交代の浮き沈みが激しいから生きにくい時代でもあったので無いとこねだりだろうなぁ -
下巻は上巻に比べて登場人物が減ったぶん、物語の軸が見えて面白くなるかと思いきや、やはり主人公を含めて登場人物に血が通っているようには思えず、楽しめないまま読み終わってしまいました。
源氏物語についても、「須磨」から書き始めたのでは…とか、「匂宮」以降は別人が書いたのでは(紫式部さんの娘が作者説もあり)といった謎に対する考察は一切なく、普通に「桐壺」から最後まで順番通り紫式部さんが粛々と書いたことになっていました。
それは別にいいけど、とにかく人ばっかり出てくる話なのに人に魅力を感じることができない作品でした。
残念! -
紫式部の生涯を現代小説として綴った作品。その下巻。
面白さは上巻と変わりませんが、下巻では、平安を語る上で外せない男・藤原道長の存在が前面に打ち出されてきます。
ゆえに「紫式部の一生」というよりは、「平安時代の男の生きかた」「これに対抗する女の生き様」という面が強くなってしまうのですが、それもまたよし。